グリー、第3四半期(7~3月)決算は売上高14%減、営業益39%減に 『ヘブバン』周年奏功も既存タイトル中心の運営で減収減益に メタバース事業は黒字化

  • グリー<3632>は、5月8日、2024年6月期の第3四半期累計(7~3月)の連結決算を発表、『ヘブンバーンズレッド』の周年施策が奏功しつつも、ゲーム・アニメ事業で既存タイトル中心の運営になったこともあり、減収減益となった。

    売上高471億9900万円(前年同期比14.7%減)
    営業利益45億5500万円(同39.6%減)
    経常利益53億5500万円(同27.9%減)
    最終利益32億1000万円(同23.2%減)

    各セグメントごとの状況は以下のとおり。

    ①ゲーム・アニメ事業 売上高351億200万円(前年同期比14.2%減)、営業利益55億700万円(同1.4%減)
    既存スマートフォンゲームの長期運営体制による収益安定化及び海外展開による収益力向上に取り組むとともに、新規タイトルの開発を進めた。また、『ヘブンバーンズレッド』の周年施策が奏功したが、前年同期比では減収となった。

    ②メタバース事業 売上高53億6100万円(同10.5%増)、営業利益8000万円(前年同期9600万円の赤字)
    プラットフォーム事業において、スマートフォン向けメタバース「REALITY」のコンテンツ拡充および機能拡充を進めるとともに、グローバル展開を進めた。また、費用効率化による収益構造の改善にも取り組んだ。VTuber事業における積極的な投資も継続し、メタバース事業全体で堅調に推移した。

    ③DX事業 売上高41億8500万円(同0.2%減)、営業利益6億8100万円(同19.8%減)
    広告事業の伸長が寄与するも、前期に終了した大型案件の影響などにより軟調に推移した。

    ④コマース事業 売上高9億6600万円(同1.7%減)、営業利益4000万円(同493.5%増)
    コマース事業全体で「メディア×SaaS」戦略を推進、メディア力を活かし、安定収益基盤であるSaaS事業の強化を進めたが、第3四半期期間はメディア事業が軟調に推移した。また、今期に新たに開始したHR事業への積極的な投資も継続した。

    ⑤投資事業 売上高18億3200万円(同60.3%減)、営業損益2億3700万円の赤字(前年同期24億6700万円の黒字)
    インターネット・IT領域を中心に投資するベンチャーキャピタルやスタートアップへの投資に取り組んだが、同社グループ出資ファンドにおける保有株式の売却による収益が減少したことなどにより軟調に推移した。

  • ■2024年6月通期の見通しは引き続き非開示

  • 2024年6月期通期の連結業績予想は引き続き非開示。同社グループを取り巻く事業環境は短期的な変化が激しく、市況の影響を受ける投資事業の連結業績への影響も一定あることから、連結の業績見通しについて適正かつ合理的な数値の算出が困難であると判断したため、としている。

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  • 【追記】
  • 業績推移のグラフは以下の通り。

グリー株式会社
http://www.gree.co.jp/

会社情報

会社名
グリー株式会社
設立
2004年12月
代表者
代表取締役会長兼社長 田中 良和
決算期
6月
直近業績
売上高754億4000万円、営業利益124億9800万円、経常利益130億8600万円、最終利益92億7800万円(2023年6月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3632
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