調査資料

Virtuos、リニューアル版ゲームの成功要因を考察するホワイトペーパー「リメイク&リマスターゲームの黄金時代」を公開

Virtuos(ヴァーチャス)

Virtuos(ヴァーチャス)

2024.03.05 16:13

ゲーム開発会社のVirtuosは、リニューアル版ゲームの成功要因を考察するホワイトペーパー「リメイク&リマスターゲームの黄金時代」を公開した。

IDG ConsultingとStrategic Game Consulting(SGC)とのパートナーシップのもと、Virtuosはこの調査のために、2012年以降に発売した200以上のリメイク版、及びリマスター版の統計データとその販売数を照合した。

2023年は、リニューアル版ゲームの年となった。――3月から6月の3カ月間を見ても、高評価トップ10のうち9本、発売後売り上げトップ10のうち3本が、リメイク、リマスター、移植に該当した。

Virtuosによるホワイトペーパーは、ゲーマーとゲーム開発者双方の視点から、リメイク版・リマスター版を成功に導く要因を導き出している。

■主要な論点

◯ミレニアル世代がリメイク・リマスター作品の人気の復活に寄与していると考えられる。
◯リメイク・リマスター作品をリリースする最適な時期とはいつだろうか。
◯オリジナル版に変更を加える/加えないの判断基準とは何だろうか。

■主要な考察ポイント

本ペーパーはリメイク・リマスター版の収益化を左右するものについて論じ、二つの主な成功要因を挙げている。すなわち、“適切なリリース時期"と“適切な変更"。加えて、下記などについても考察を行なっている。

・リメイク・リマスター作品の人気復活の鍵は、ミレニアル世代にあると考えられる: この世代の人々は、大人になってからも生涯を通してゲームを遊び続け、かつZ世代といった他の世代と比べても、より深くゲームと関わり続けているため。
・次世代コンソールの発売サイクルが、リニューアル版ゲームのリリース時期と売り上げに大きく作用する。
・セールス上位のリマスター版のリリースは、オリジナル版発売の5年以内という早期であり、また、次世代ハードウェアの発売に合わせたものとなっている。早期のリリースには、主に二つの利点がある。第一に、オリジナルタイトルが依然ゲーム市場に一定のプレゼンスを有していること。第二には、プレイヤーは最新の水準にアップデートしたグラフィックスの中で、そのオリジナル版の追体験ができる、という点。
・リメイク版の最適な発売時期については、リマスター版ほど明確ではない。ハードウェアとソフトウェアの進化により、オリジナル版への効果的な要素の追加、問題点の解消が行われた際に、成功する場合が多いと考えられる。これまで、ほとんどのリメイク版の開発は、発売から10年以上経過したタイトルに対して行われてきた。Virtuosのデータによると、オリジナル版発売から5年以内にリリースしたリメイク作品は、わずか4%にすぎない。
・リメイク版はリマスター版と比較し、大規模でコストのかかるプロジェクト。ゆえに開発は、デベロッパーとプレイヤー双方にとって費用対効果が見込める、オリジナルタイトルに充分な付加価値を加えることができる、という2点を満たした場合に行うのが妥当と考えられる。
・オリジナル版発売後10年、10年前後、20年以上、それぞれのリメイク版の売り上げと他に検討すべき要素については、レポート本文を参照してほしい。
・リニューアル版における変更は、オリジナルタイトルの本質の維持と、“ノスタルジー"を喚起する瞬間/要素の強化、そのバランス取りながら行われる必要がある。