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Sensor Tower、24年世界のモバイルゲーム市場予測を公開…収益は23年767億ドル、28年には1000億ドル超、カジュアル増加、RPGとストラテジーの新作成長

Sensor Tower（センサータワー）

Sensor Tower（センサータワー）

2024.03.05 12:20

Sensor Tower(センサータワー)は、「2024年世界のモバイルゲーム市場予測」を公開し、2023年の世界のモバイルゲーム市場について、全体として安定傾向にあり、収益が767億ドル(11兆5400億円)に達して新型コロナウイルス流行前の水準を22%上回ったとの推計結果を発表した。モバイルゲームの世界収益は、2024年に回復することが見込まれており、2028年には1000億ドル(15兆0500億円)を突破すると予測しているという。

本レポートでは、世界のモバイルゲームの収益推移ならびにミッドコア、カジュアル、RPG、パズルなどジャンル別の収益の変化について紹介しているほか、カテゴリ別に人気モバイルゲームの詳しい分析を行っている。

注:本レポートはアプリストアにおける収益のIAP推定値のみを集計しており、広告収入およびサードパーティーのAndroidマーケットでの収益は含まれていない。

■モバイルゲームの世界収益は全体として安定傾向、依然として2019年の水準を22%上回る

新型コロナウイルス流行に伴う巣ごもり特需を受け、モバイルゲームの世界収益は2021年に過去最高の860億ドルを記録したが、その後特需が徐々に減退し、2022年のモバイルゲーム世界収益は9%減少した。2023年の総収益は767億ドルに達し、基本的に下落傾向に終止符が打たれた。モバイルゲームの世界収益は、2024年以降再び回復することが見込まれており、2028年には1000億ドルを突破することが予想されている。

モバイルゲーム収益を地域別に見た場合、アメリカが依然として最も多く、2023年の収益は前年水準を維持しており、2019年より38%高い水準にある。2024年から2028年にかけてアメリカにおけるモバイルゲームの収益は緩やかに成長し、2028年に335億ドルに達すると見込まれている。中国のApp StoreにおけるモバイルゲームIAP収益も同様に安定的に推移しており、2022年の時点で収益が151億ドルに達している。日本と韓国においては程度は異なるものの、いずれも減少が見られる。

■モバイルカジュアルゲームの収益は引き続き増加、モバイルミッドコアゲームの収益は9%減少

2023年は『MONOPOLY GO!』や『Eggy Party』などの新作ゲームが人気となった上、『ロイヤルマッチ』『トラベルタウン』『Gossip Harbor: Merge & Story』などのモバイルゲームの人気も高まり、プレイヤーのモバイルカジュアルゲーム対する支出が顕著に増加した。中でもモバイルハイブリッドカジュアルの収益は30%増加して21億ドルを上回った。

モバイルミッドコアゲームの収益は緩やかに減少しているが、それでもなおモバイルゲーム世界総収益の59%を占めている。このうちRPGとストラテジーゲームの2023年の収益は、それぞれ200億ドルおよび148億ドルで、2023年から10%減少している。

■モバイルパズルゲームとカジノゲームの収益は、それぞれ18%および10%増加

2023年のモバイルパズルゲームのIAP収益は100億ドルになり、マッチ3とマージの収益増加が顕著。『ロイヤルマッチ』に代表されるオーソドックスなマッチ3ゲームの収益が最も多く、2023年の収益は13%増の64億ドルとなった。また、『トラベルタウン』と『Gossip Harbor: Merge & Story』の収益成長率はそれぞれ426%および452%に達し、これに伴ってモバイルマージパズルゲームの収益は36%増加して9億ドルとなった。

ボードゲームとしての面白さと競技性・ソーシャルネットワークの要素をパッケージングしたScopelyの新作ゲーム『MONOPOLY GO!』は、リリース後間もなくアメリカ、イギリスを始めとする数多くの欧米市場においてiOSモバイルゲームダウンロード数ランキングでトップに立った。2023年に12億ドルにのぼる収益を上げ、世界収益成長ランキングでトップに立ち、モバイルカジノゲームの収益を18%押し上げた。

■RPGとストラテジーの新作ゲームの成長が目立ち、『崩壊:スターレイル』『ホワイトアウト・サバイバル』が特に際立つ

2023年のモバイルRPG総収益は軟調さが垣間見え、前年から10%減少して2019年の水準に近づいている。しかし、これまでに体験したことがないアートスタイル、プレイスタイル、テーマを提供する高品質の新作ゲームが引き続き多数リリースしたことによって、その収益増加には目を見張るものがある。中でもmiHoYoがリリースした『崩壊:スターレイル』とNetEaseの『逆水寒』は、モバイルRPG収益成長ランキングにおいて、それぞれ1位および2位を獲得した。

モバイルストラテジーゲームの2023年の世界収益は、前年から10%減少して148億ドルとなったものの、2019年より22%高い水準にある。市場全体としては収益が縮小傾向にあるモバイルシミュレーションゲームにおいて、Century Gamesの新作4Xストラテジーゲーム『ホワイトアウト・サバイバル』が世界収益を3億7000万ドル増加させ、モバイルストラテジーゲーム市場成長のダークホースとなった。