タカラトミー、21年3月期は売上高14%減、営業益33%減に 新型コロナ感染症再拡大で小売事業とイベント事業の回復に遅れ

タカラトミー<7867>は、5月11日、2021年3月期の連結決算を発表、新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない状況が続き、映画公開の延期や各種イベントも中止・延期および縮小等となり、「キデイランド」「トミカ・プラレールショップ」など小売事業、「トミカ博・プラレール博」などイベント事業は想定より回復が遅れた。また、一部定番商品では行楽地や交通機関などでの販売機会低下などが生じた。

なお、新型コロナウイルス感染症による損失として特別損失を計上する一方、政策保有株式の売却益などで特別利益を計上したことで最終利益は増益となっている。

売上高1412億1800万円(前々期比14.3%減)
営業利益70億7900万円(同33.7%減)
経常利益71億7000万円(同29.7%減)
最終利益53億7400万円(同19.2%増)
 

2020年に発売50周年を迎えた「トミカ」は、同年4月よりテレビアニメ「トミカ絆合体 アースグランナー」の放送をスタートさせ、関連商品を市場投入するとともに、「トミカ50周年自動車メーカーコラボプロジェクト」などを進めた。「ベイブレードバースト」は国内販売が減少傾向にあるものの、北米におけるテレビアニメ放送の継続などにより海外向け輸出が堅調に推移した。

「人生ゲーム」や「黒ひげ危機一発」などのファミリーゲームはコロナ禍による巣ごもり需要の高まりにより好調に推移した。また、年末商戦では、「ダブルアクショントミカビル」「フェルティミシン すみっコぐらし」「人生ゲーム ジャンボドリーム」など多くの商品を市場投入した。

さらに、新規事業領域拡大を図るためティーンから大人をターゲットとしたネイルチップ専用プリント機「ネルチップ」を2021年3月から一部店舗で先行稼働した。

小売事業、イベント事業等の売上は想定より回復に遅れがみられた。

一方、高粗利率の玩具事業の伸長が小売事業、イベント事業の低迷をカバーしたことに加え、コロナ禍における費用抑制を継続したことなどの影響により、営業利益や経常利益は当初見通しを上回った。

また、緊急事態宣言を受け臨時休業を実施した小売店等で発生した固定費(人件費・減価償却費)など7億2900万円を新型コロナウイルス感染症による損失として特別損失を計上した一方、政策保有株式の売却益などで特別利益16億1900万円を計上した。

■2022年3月期は増収増益の見込み
なお、2022年3月期通期の連結業績見通しは以下のとおり。

売上高1550億円(前期比9.8%増)
営業利益80億円(同13.0%増)
経常利益76億円(同6.0%増)
最終利益65億円(同20.9%増)
 

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株式会社タカラトミー
http://www.takaratomy.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社タカラトミー
設立
1953年1月
代表者
代表取締役会長CEO 富山 幹太郎/代表取締役社長COO 小島 一洋
決算期
3月
直近業績
売上高1872億9700万円、営業利益131億1900万円、経常利益120億4300万円、最終利益83億1400万円(2023年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
7867
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