任天堂、2012年3月期は373億円の営業赤字…年末商戦盛り返すも上期の不振カバーできず

任天堂<7974>は、本日(4月26日)、2012年3月期の連結決算を発表し、為替が想定よりも円安で推移したため、見通しを上回ったものの、36%を超える減収、損益面では赤字に転落した。数字だけを見るをみると厳しい内容だが、3DSの逆ざや解消に見通しがたったことやアジア地域での販売、「Wii U」のりリースなどプラス材料も複数出ている。 同社の開示した決算は、売上高が前期比36.2%減の6476億円、営業損益が373億円の赤字(前期1710億円の黒字)、経常損益608億円の赤字(同1281億円の黒字)、当期純損益432億円の赤字(同776億円の黒字)だった。     同社では、「ニンテンドー3DS」については、国内最速で500万台を突破するなど、ハードウェアの販売台数が1353万台を超えたほか、「スーパーマリオ3Dランド」や「マリオカート7」、サードパーティでもヒットタイトルが生まれた。 しかし、年末商戦の立ち上がりが例年に比べて遅かったため、上期の不振を挽回できなかった。ソフト販売が3600万本にとどまった。 また「Wii」については、「ゼルダの伝説 スカイウォードソード」が米国を中心に高い評価を受けたほか、サードパーティのダンス系のタイトルがヒットした。販売数量は、ハードが984万台、ソフトが1億0237万本だった。 こうした状況に加え、「ニンテンドー3DS」本体や、海外における「Wii」の本体を値下げしたことで、流通在庫の補填や、期中において為替相場が円高に推移した影響を受けた。   ■2013年3月期 2013年3月期は、売上高が前期比26.6%増の8200億円、営業利益が350億円(黒字転換)、経常利益350億円(黒字転換)、当期純利益200億円(黒字転換)を見込む。     「ニンテンドー3DS」の逆ざやは、今期半ばまでに赤字解消が見込まれるとのこと。「Newスーパーマリオブラザーズ2」(8月)や、「とびだせ どうぶつの森」(今秋)を発売するとともに、「鬼トレ(仮称)」(今夏)なども発売する予定。さらにアジア地域での「ニンテンドー3DS」を発売する予定。 今年の年末には、「Wii U」を今年の年末に日米欧市場で発売する予定。「Wii」の後継機で、6.2インチのタッチスクリーンのついた新しいコントローラとの組み合わせた新しい遊び方を提案する。