ベクター、2012年3月期は減収・減益、最終赤字に…減価償却費負担やセキュリティ対策費などで

ベクター<2656>は、本日(4月24日)、2012年3月期の決算を発表し、減収・減益、最終赤字転落となった。同社では、減価償却費など固定費が増加したことに加え、オンラインゲーム事業に係るソフトウェアの減損損失1億0200万円、3月下旬に発生したサーバーへの不正アクセス事案に絡んだ情報セキュリティ対策費を計上したことが主な要因としている。 同社の発表した2012年3月期の決算は、営業収益36億3500万円(前期比7.8%減)、営業利益5100万円(同87.6%減)、経常利益5500万円(同86.9%減)、当期純損益2億5500万円の赤字(前期1億4600万円の黒字)だった。     主力のオンラインゲーム事業は、営業収益25億4800万円(前期比4.1%減)だった。従来型オンラインゲームは、大型タイトル「Finding Neverland Online」と「晴空物語」など12タイトルを運営した。ブラウザゲームは「ドラゴンクルセイドII」など6タイトルを運営したが、従来型オンラインゲームに比べ表現力が劣るこことや、ライトユーザーがスマートフォンのモバイルゲームに移行していることから一時ほどの勢いがないとのこと。モバイルソーシャルゲームも6タイトル運営したが、競争激化による苦戦が余儀なくされているという。 このほか、ソフトウェア販売事業が同20.4%減の9000万円、サイト広告販売事業は同2.7%減の1億5600万円となった。 2013年3月期の業績予想は、サーバーへの不正アクセス事案の影響により、現段階で合理的な業績予想の算定を行うことが困難なことから未定としている。