【決算レポート】東京通信、第1四半期はハイカジゲーム『Save them all』好調で売上高77%増 広告費や人件費の増加で営業利益は横ばいに



東京通信<7359>は、5月7日、2021年12月期の第1四半期(21年1~3月)の連結決算を発表するとともに、決算説明資料を公開した。発表した連結決算は、売上収益10億8500万円(前年同期比77.1%増)、営業利益1億6800万円(同0.6%増)、経常利益1億4000万円(同16.4%減)、最終利益8100万円(同10.9%増)だった。


・売上収益:10億8500万円(前年同期比77.1%増)
・営業利益:1億6800万円(同0.6%増)
・経常利益:1億4000万円(同16.4%減)
・最終利益:8100万円(同10.9%増)
 



アプリ事業の『Save them all』が好調に推移し、売上が大きく伸びたものの、グローバル広告出稿費用や人件費の増加、広告事業の遅れなどで、営業利益は微増にとどまった。経常利益がマイナスになっているが、これは主にティファレト買収資金の借入手数料6000万円が発生したため。
 



■アプリ事業
売上高は同123.6%増の10億3500万円、セグメント利益は同142.4%増の2億5700万円と大幅増収増益となった。

国内向けカジュアルゲームアプリの売上高が同1.8%増の2億8200万円となった一方、海外向けハイパーカジュアルゲームは、2020年11月に本格的に運用を開始した「Save them all」が引き続き好調に推移し、グローバルの売上高は同372.1%増の7億2200万円となり、大きく伸びたという。その他、ストック収入による売上高は同5.7%減の3000万円となった。
 



■広告代理事業
売上高は同69.4%減の4300万円、セグメント利益は同86.6%減の1600万円だった。堅調であった既存案件の売上高が鈍化傾向、新規案件の獲得が当初想定した計画よりも遅延しているため、としている。
 




■通期予想を上方修正
2021年12月通期の連結業績予想を修正し、売上高43億5000万円(前回予想27億6300万円)、営業利益4億2000万円(同3億5200万円)、経常利益3億8000万円(同3億5300万円)、最終利益1億8000万円(同2億2700万円)とした。従来予想からの修正率は、売上高が47.4%増、営業利益が19.3%増、経常利益が7.6%増、最終利益が20.7%減となる。


【予想数字】
・売上高:43億5000万円(前回予想27億6300万円)
・営業利益:4億2000万円(同3億5200万円)
・経常利益:3億8000万円(同3億5300万円)
・最終利益:1億8000万円(同2億2700万円)


【修正率】
・売上高:57.4%増
・営業利益:19.3%増
・経常利益:7.6%増
・最終利益:20.7%減
 



同社では、アプリ事業でハイパーカジュアルゲームの収益が好調に推移しているほか、買収したティファレトが連結業績に加わるため、と説明した。ただ、ティファレト買収に伴った発生するのれん償却費は損金に入らないため、法人税などの負担が増える。これに伴い、最終利益は計画を下回る見通し。

各事業の前提は以下のとおり。


■アプリ事業
売上高は27億6000万円(対前回予想17.9%増)、セグメント利益は6億1000万円(対前回予想19.3%増)を見込んでいる。2020年11月に本格的に運用を開始したハイパーカジュアルゲームアプリ「Save them all」が第1四半期も引き続き好調に推移しており、売上高が当初の見通しを上回る水準で推移している。営業利益についても、売上高が増加したことで当初の見通しを上回った。


■広告代理事業
広告代理事業の売上高は2億6000万円(対前回予想32.1%減)、セグメント利益は1億6000万円(対前回予想39.0%減)を見込んでいる。主要クライアントの予算縮小の影響を受けたことに加え、新規案件の獲得が当初想定した計画よりも遅れていることから、売上高、営業利益が前回予想数値を下回る見通しとなった。


■その他
ティファレトの株式を取得し、連結子会社化したことにともない、新たな報告セグメントとして「プラットフォーム事業」を追加する。売上高は12億7000万円、セグメント利益は7000万円を見込んでいる。上記のセグメント利益には、ティファレトの連結子会社化により発生するのれんおよび無形資産の償却費を2億2200万円見込んでいる。

なお、のれん償却費は、会計上の費用であり損金に含められず、税金等調整前最終利益に対する法人税等の負担率が増加する。また、資金の借入にともなう借入手数料億6000万円が営業外費用として発生したため、最終利益は前回予想数値を下回る見通し。

株式会社東京通信グループ
https://tokyo-tsushin.com/

会社情報

会社名
株式会社東京通信グループ
設立
2015年5月
代表者
代表取締役社長CEO 古屋 佑樹
決算期
12月
直近業績
売上高62億1900万円、営業損益1億3300万円の赤字、経常利益3億5700万円、最終損益2億400万円の赤字(2023年12月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
7359
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