【決算レポート】スクエニHD、21年3月期の営業利益は44%増の472億円と大幅増 家庭用・スマホ・MMO好調 高成長続く出版も存在感



スクウェア・エニックス・ホールディングス<9684>は、5月13日、2021年3月期の連結決算を発表するとともに、決算説明資料を公開した。発表した決算は、売上高3325億3200万円(前の期比27.6%増)、営業利益472億2600万円(同44.2%増)、経常利益499億8300万円(同55.7%増)、最終利益269億4200万円(同26.2%増)だった。主力のゲーム事業が好調に推移したことに加えて、出版事業、ライツ事業が成長し業績を押し上げた。


・売上高:3325億3200万円(前の期比27.6%増)
・営業利益:472億2600万円(同44.2%増)
・経常利益:499億8300万円(同55.7%増)
・最終利益:269億4200万円(同26.2%増)
 


 
■デジタルエンタテインメント事業

売上高は2639億0900万円(前の期比39.9%増)となり、営業利益は505億3600万円(前の期比42.9%増)となった。拡張パッケージの販売がなかったMMOは横ばいとなったが、HDゲームやスマホゲームが伸長した。
 


HD(High-Definition:ハイディフィニション)ゲームは、売上高が同130%増の966億円だった。「FINAL FANTASY VII REMAKE」「Marvel's Avengers(アベンジャーズ)」等の大型タイトルの発売があったことに加え、カタログタイトルの販売が好調に推移したこと、ライセンス収入などが計上されたことなどが主な要因としている。
 


スマートデバイス・PCブラウザゲームは、売上高が同19.7%増の1274億円だった。年間を通じて四半期ベースで300億円台の売上をキープしており、ステージが一段上がった印象を受ける。「ドラゴンクエストウォーク」や「FFBE幻影戦争」などが堅調であったことに加え、「ドラゴンクエストタクト」、「オクトパストラベラー大陸の覇者」及び「NieR Re[in]carnation」が収益に貢献した。
 


MMOゲームは、売上高が微減の398億円となった。前の期に「ファイナルファンタジーXIV」と「ドラゴンクエストX」の拡張パッケージを発売していたため、この期は減収となったものの、両タイトルの継続課金収入等は好調に推移した。拡張パッケージの発売を通じて売上を伸ばすことの多かった同事業だが、継続課金収入だけでも高水準の売上を実現している。
 


 
■アミューズメント事業

売上高は343億4900万円(前の期比24.8%減)となり、営業損失は15億6800万円(前年同期は営業利益14億8000万円)となった。政府の緊急事態宣言発出を受け、新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策として、第1四半期に国内の店舗を臨時休業としたことで、大幅な減収、営業損失を余儀なくされた。
 


 
■出版事業

売上高は268億4300万円(前の期比38.0%増)となり、営業利益は116億8700万円(前の期比61.2%増)と大きく伸びた。マンガアプリの「マンガUP!」や電子書籍等のデジタル媒体での販売が大幅に増加しただけでなく、紙媒体での販売も好調に推移した。ゲームに続くグループの柱に育っている。

なお、電子媒体が初めて紙媒体の売上を上回った。主な作品として、「地縛少年花子くん」や「薬屋のひとりごと」「わたしの幸せな結婚」をあげた。
 


四半期別の推移は以下のとおり。
 


 
■ライツ・プロパティ等事業

売上高は94億5200万円(前の期比8.2%増)となり、営業利益は22億4900万円(前の期比120.2%増)となった。自社コンテンツのキャラクターグッズ、サウンドトラックの販売等が好調に推移した。『FINAL FANTASY VII REMAKE』のサントラやフィギュア、『ニーア・オートマタ』のフィギュアなどを投入したとのこと。
 
株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングス
https://www.hd.square-enix.com/jpn/

会社情報

会社名
株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングス
設立
1975年9月
代表者
代表取締役社長 桐生 隆司
決算期
3月
直近業績
売上高3432億6700万円、営業利益443億3100万円、経常利益547億0900万円、最終利益492億6400万円(2023年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
9684
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