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松竹、21年2月期は営業損失54億円と赤字転落 映画と演劇苦戦 「劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン」は「非常に高い評価でロングラン上映」

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松竹<9601>は、2021年2月通期の決算を発表し、売上高524億3400万円(前の期比46.2%減)、営業損失54億8300万円(前の期は46億0400万円の利益計上)、経常損失56億1000万円(前の期は44億6200万円の利益計上)、最終損失114億0700万円(前の期は24億2000万円の利益計上)と大幅減収・赤字転落となった。不動産は堅調だったものの、新型コロナの影響で映画事業と演劇事業はいずれも厳しい内容となった。


・売上高:524億3400万円(前の期比46.2%減)
・営業損失:54億8300万円(前の期は46億0400万円の利益計上)
・経常損失:56億1000万円(前の期は44億6200万円の利益計上)
・最終損失:114億0700万円(前の期は24億2000万円の利益計上)


(映像関連事業)
配給は、邦画9作品、洋画4作品、アニメ5作品、シネマ歌舞伎、METライブビューイング、松竹ブロードウェイシネマ等の作品を公開した。全国の映画館が4月から営業を休止したことで大きな影響を受けたが、8月公開の「事故物件 恐い間取り」は若年層を中心に支持され大ヒットとなった。9月公開の京都アニメーション最新作「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」は非常に高い評価を受けてロングラン上映となった。12月公開の「滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie」は、舞台と映画を融合させた全く新しいエンタテインメント作品として、好評を博した。これらの3作品が、映画業界の興行収入が大きく減少する中、特に収益に貢献した。

興行は、松竹マルチプレックスシアターズでは、感染症拡大防止のための各都道府県からの要請や緊急事態宣言の発令により、3月以降に順次、営業時間短縮や臨時休業した。6月以降の営業再開後は感染拡大予防ガイドラインに従い、空調設備を適切に稼働させ、客の体表面温度の非接触測定やアルコール消毒液の設置等、万全の感染拡大防止対策を行っている。同社配給作品「事故物件 恐い間取り」の他、夏休み興行が盛況となり、若い世代を中心に多くの客に来場した。秋には「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」の大ヒットにより高稼働した。

テレビ制作は、地上波で、連続ドラマ「恐怖新聞」、2時間ドラマ「再雇用警察官」「刑事アフター5」、時代劇スペシャル「必殺仕事人2020」「桶狭間〜織田信長 覇王の誕生〜」、BS放送で時代劇スペシャル「無用庵隠居修行4」「上意討ち」を、撮影現場で万全の感染症対策をとった上で制作し、収益に貢献した。

番組販売では、CS局に「京都殺人案内」「科学捜査官」をハイビジョン化して販売し、BS局に「必殺仕事人」他を販売して好調に推移した。映像ソフトは、「男はつらいよ お帰り 寅さん」や「事故物件 恐い間取り」等、話題となった新作を販売し、収益に貢献した。

テレビ放映権販売では、BSテレビ東京で、4月より「男はつらいよ」全50作品の4K放送を開始し、収益に貢献した。

CS放送事業は、松竹ブロードキャスティングは、ホームドラマチャンネルでのシネマ歌舞伎の放送開始や、話題となったタイドラマを衛星劇場でいち早く国内のテレビとして初めて編成する等、編成面での強化・インターネット動画配信サービスとの差別化による加入者増によって、収益を確保した。

この結果、売上高は318億2700万円(前年同期比42.3%減)、セグメント損失は27億6100万円(前年同期はセグメント利益22億3700万円)となった。


(演劇事業)
松竹直営劇場の演劇公演では、引き続き収容率を抑え、感染症拡大防止の対策を徹底し、客の安全、安心に配慮した興行を行ってきた。

歌舞伎座は、3月から7月までの公演は、すべて中止となった。5月から7月に予定していた「十三代目市川團十郎白猿襲名披露興行」は延期となった。8月には興行を再開し、12月までは各部幕間無しの一演目とする、初の四部制興行を行った。年明けの1月「壽 初春大歌舞伎」からは、各部二演目の三部制興行とした。また、2月興行で劇場単月黒字を出せる迄回復した。

新橋演舞場は、3月から9月までの公演及び12月公演は中止および延期となった。7・8月に公演予定だった「滝沢歌舞伎 ZERO 2020」が休演中の劇場を利用して舞台を撮影し、映画化した。その全国公開に先駆けて特別上映を10月に行い、興行を再開した。10月のジャニーズJr.公演「虎者 NINJAPAN2020」、1月「初春海老蔵歌舞伎」は大盛況となり、それぞれ生配信を実施、大きな話題となった。

大阪松竹座は、3月から12月までの予定公演は中止および延期となった。8月「Johnny's DREAM IsLAND2020→2025~大好きなこの街から~」は無観客配信での製作協力を行った。また、大阪松竹座としては初の試みとなる、9月「大阪松竹座 初のステージ体験ツアー」の開催を始め、1月「坂東玉三郎 初春特別舞踊公演」と徐々に公演を再開した。

南座は、3月から11月までの予定公演は中止および延期となった。8月「南座 夏の舞台体験ツアー」からイベント開催を行い、10月「滝沢歌舞伎 ZERO2020The Movie 特別上映」、11月『「鬼滅の刃」×「京都南座歌舞伎ノ舘」』等の各イベントがコロナ禍の新たな企画として、大きな話題となった。12月は三部制興行の「吉例顔見世興行」で演劇興行を本格的に再開し、好評を博した。

その他の公演は、巡業等、すべての公演が中止となった。

受託製作は、3月から9月までの他座からの受託製作の歌舞伎公演が中止となった。10月の園座「錦秋園座歌舞伎」、11月博多座「市川海老蔵特別公演」、2月博多座「二月花形歌舞伎」を、それぞれ公演期間を約2週間とし、上演時間を短くした二部制興行で実施した。

シネマ歌舞伎は、4月・5月の「月イチ歌舞伎2020」が上映中止となったが、緊急事態宣言の解除後に上映を再開した。10月には新作「三谷かぶき月光露針路日本 風雲児たち」を上映し、新たな観客層を取り込み、好評を博した。

METライブビューイングは、新シーズン2020-21は、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場で全公演がキャンセルとなり、代替上映として過去シーズンの人気作6作品を「プレミアム・コレクション2021」として2月より上映し、多くのオペラ・ファンを魅了した。

配信は、感染症のため中止となった、歌舞伎座「三月大歌舞伎」、南座スーパー歌舞伎Ⅱ「新版オグリ」の無料配信を行った。また、「歌舞伎家話」、「紀尾井町家話」、史上初のオンライン歌舞伎である図夢歌舞伎「忠臣蔵」等の動画配信が新しい試みとして、大きな話題となった。8月には「歌舞伎オンデマンド」を開設し、歌舞伎公演を収録配信した。1月には新橋演舞場「初春海老蔵歌舞伎」を、古典歌舞伎の本興行として初めて千穐楽生配信を行い、大きな評判となった。

この結果、売上高は73億1700万円(前年同期比74.4%減)、セグメント損失は42億6800万円(前年同期はセグメント利益7億4200万円)となった。


(不動産事業)
不動産賃貸では、歌舞伎座タワー・築地松竹ビル(銀座松竹スクエア)・東劇ビル・新宿松竹会館(新宿ピカデリー)・有楽町センタービル(マリオン)・松竹倶楽部ビル等の満室が続き、全体でも高い稼働率で安定収入に貢献した。4月には浅草六区松竹ビルが竣工し、5月より賃貸を開始した。また、各テナント企業との賃料交渉にも誠実に対応し、感染症の影響による賃料減額は最小限にとどめ、ほぼ計画どおりの利益を確保した。

この結果、売上高は119億3100万円(前年同期比2.9%増)、セグメント利益は53億7900万円(同6.6%増)となった。


(その他)
コロナ禍における社会状況を見据え、各事業におけるオンライン販売の強化を図りつつ、人気キャラクターとのコラボレーションやコア層向けの商品開発・販売を主軸に展開した。

劇場プログラムおよびキャラクター商品は映画館の営業再開以降に公開した「銀魂 THE FINAL」「滝沢歌舞伎 ZERO2020The Movie」等で、コアなファンにも支えられ収益に貢献した。

イベント事業は、テレビアニメ「鬼滅の刃」と歌舞伎とのコラボ展示イベント『「鬼滅の刃」×「京都南座 歌舞伎ノ舘」』を京都南座で実施した。会場限定キャラクター商品も販売し好評を博した。

配信コンテンツは、感染症の影響により新規コンテンツとして多ジャンルの配信を開始した。8月に無観客ライブ配信を行った超歌舞伎「夏祭版 今昔饗宴千本桜」では23万人を超す視聴数となった。また、2月には、体験型推理ゲーム「マーダーミステリーシアター 演技の代償」を全く新しい没入型コンテンツとして映像化し、無観客ライブ配信し好評を得た。

この結果、売上高は13億5900万円(前年同期比34.3%減)、セグメント損失は8億8600万円(前年同期はセグメント損失1億4800万円)となった。


 
■2022年2月期の見通し

2022年2月期は、売上高824億円(前の期比57.1%増)、営業損失54億円(前の期は54億8300万円の損失計上)、経常損失51億円(前の期は56億1000万円の損失計上)、最終損失51億円(前の期は114億0700万円の損失計上)と大幅増収となるものの、引き続き赤字となる見通し。


・売上高:824億円(前の期比57.1%増)
・営業損失:54億円(前の期は54億8300万円の損失計上)
・経常損失:51億円(前の期は56億1000万円の損失計上)
・最終損失:51億円(前の期は114億0700万円の損失計上)
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