ケイブ、第3四半期(6~2月)は売上高16%増ながら5300万円の営業赤字を計上 ゲーム運営受託が収益に寄与 広告宣伝や新事業の先行投資が増加

ケイブ<3760>は、4月13日、2021年5月期の第3四半期累計(6~2月)の連結決算を発表、ゲーム事業の受託寄与で増収となった一方で、売上拡大を目指した広告宣伝投資の実施に加え、台湾子会社や新サービスの先行投資により、赤字にとどまった。

売上高13億6900万円(前年同期比16.5%増)
営業損益5300万円の赤字(前年同期2億2300万円の赤字)
経常損益5500万円の赤字(同2億2700万円の赤字)
最終損益6700万円の赤字(同2億6700万円の赤字)
 

主力サービスの『ゴシックは魔法乙女~さっさと契約しなさい』は、2020年4月に5周年を迎え、2020年7月には累計500万ダウンロードを突破した。同タイトルは、固定ファンを飽きさせないイベント運営を継続することでユーザー数全体を維持しており、同社グループの業績を引き続きけん引している。

また、KADOKAWA<9468>とフォワードワークスによる新作スマートフォンゲームアプリ受託開発については、2020年10月13日に『ワールドウィッチーズ UNITED FRONT』のサービスを開始した。本作については、アプリの受託開発後、運営の受託も開始し、売上に寄与している。

一方で、同社グループは、業績回復および企業価値の向上を目指すにあたり、「ゲーム領域以外の事業の創出」を急務とし、2019年11月に連結子会社capableを設立した。同社は、有名タレントの動画配信マネジメントを中心に事業を展開しており、有名タレントの動画チャンネルを企業のプロモーションなどに活用してもらうことで今後の業績拡大を目指している。

オンラインエンターテイメント業界は、新型コロナウィルス感染拡大防止のため、人と人との接触を避け、リアルなコンサートやライブが開催できない状況下において、アプリケーションを通じたライブ配信サービスの需要が伸びている。今後、ニューノーマルな生活が数年単位で続くことが予想され、ライブ配信の需要はますます高まると考えられる。同社は、今後も拡大が続くライブ配信市場への進出を目指し、独自の対面占いライブ配信プラットフォーム「占占(sensen)」(せんせん)を開発し、2021年3月15日にサービスをプレオープンした。

また、2020年12月29日に設立した海外子会社の凱樂數位股份有限公司(英語表記:Cave Interactive Taiwan Co., Ltd.)は、ライブ配信アプリなどのアジア圏を始めとするグローバル展開やグローバル展開可能な新規事業の創出、開発を目指しており、日本のみならず、中華圏、東南アジア、欧米といった海外マーケットの需要を取り込み、事業の拡大を図ることを目的としている。ケイブの執行役員でもあるアンドリュー・チャン(張牧寧)氏が代表に就任し、17mediaの共同創業者であるヨーク・チョウ(周宥宇)氏、台湾の大手オンラインゲーム会社ガマニアの技術研究開発責任者であったギルバート・シャ(謝宗宏)氏なふぉを幹部として迎えている。

なお、2020年3月31日に同社が幹事会社となり、同社やテレビ朝日を含む3社が出資者となり設立したスマートフォンゲーム製作委員会(名称未定)については、当該スマートフォンゲームのプロデューサーを同社取締役の岡本吉起氏が担当し、同社はパブリッシャーとなってゲームを運営する予定だが、リリース時期は未定となっている。

■通期予想は非開示
なお、2021年5月通期の業績予想は、現時点で合理的な業績予想の算定ができないため非開示としている。合理的な業績見通しの算定が可能になった時点で速やかに開示する方針だ。
株式会社ケイブ
http://www.cave.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社ケイブ
設立
1994年6月
代表者
代表取締役社長 秋田 英好/代表取締役CFO 伊藤 裕章
決算期
5月
直近業績
売上高69億6300万円、営業利益2億4300万円、経常利益2億1300万円、最終利益25億7900万円(2023年5月期)
上場区分
東証スタンダード
証券コード
3760
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