IGポート、第3四半期の決算は営業利益が59%増の5.57億円 高採算の電子書籍と版権事業好調 通期営業益を4.65億円→5.49億円に上方修正

IGポート<3791>は、4月9日、2021年5月期の第3四半期累計(20年6月~21年2月)の連結決算を発表し、売上高68億9400万円(前年同期比0.7%増)、営業利益5億5700万円(同59.1%増)、経常利益5億7500万円(同65.3%増)、最終利益4億2700万円(同137.8%増)と大幅増益を達成した。採算性の高い電子書籍と版権事業が好調に推移したことが主な要因だ。


・売上高:68億9400万円(前年同期比0.7%増)
・営業利益:5億5700万円(同59.1%増)
・経常利益:5億7500万円(同65.3%増)
・最終利益:4億2700万円(同137.8%増)


セグメントの経営成績は次のとおりである。


① 映像制作事業
売上高は37億3600万円(前年同期比18.0%減)、営業損失は4700万円(前年同期は1億4300万円の利益計上)となった。

映像制作事業では、劇場用アニメーション「鹿の王」、テレビ用アニメーション「ドラゴン、家を買う。」等、その他CМ用、VR用のアニメーションを制作した。

引き続きCG制作費や外注費の高騰、制作期間の長期化により厳しい状況が続いている。納品した一部の作品について改善がみられたが、一部作品に受注損失引当金を計上した。


② 出版事業
売上高は14億2900万円(前年同期比32.1%増)、営業利益は2億7800万円(前年同期比139.6%増)となった。

出版事業では、月刊誌「コミックガーデン」、コミックス「魔法使いの嫁15巻」「リィンカーネーションの花弁13巻」等、定期月刊誌9点、並びに新刊コミックス・書籍76点を刊行した。

また、既刊コミックスの「リィンカーネーションの花弁」「転生貴族の異世界冒険録」は、特に販売好調であった。書店向け出版売上は前年同期並みとなったが、電子書籍売上は「異世界転生」をテーマにしたコミカライズ作品を中心に好調に推移している。


③ 版権事業
売上高は15億5000万円(前年同期比51.1%増)、営業利益は4億2300万円(前年同期比96.8%増)となった。

版権事業では、「GREAT PRETENDER」「ヴィンランド・サガ」「進撃の巨人」「攻殻機動隊」等のシリーズタイトルを中心に、二次利用による収益分配を計上した。

版権収入を獲得するため大型作品への出資を行った結果、前年同期と比較し映像マスター及びコンテンツ資産の減価償却費が増加した。


④ その他
その他事業では、雑誌のイラスト描きやキャラクターの商品化、スマートフォン向けアプリ等により、当事業の売上高は1億7800万円(前年同期比0.7%減)となり、営業損失は600万円(前年同期は3600万円の営業損失)となった。


 
■5月通期の業績予想を上方修正

2021年5月通機の業績予想について、売上高102億2200万円(前回予想95億8800万円)、営業利益5億4900万円(同4億6200万円の利益計上)、経常利益5億7200万円(同4億7800万円の利益計上)、最終利益4億1000万円(同2億5900万円の利益計上)と上方修正を行った。


【予想数字】
・売上高:102億2200万円(前回予想95億8800万円)
・営業利益:5億4900万円(同4億6200万円の利益計上)
・経常利益:5億7200万円(同4億7800万円の利益計上)
・最終利益:4億1000万円(同2億5900万円の利益計上)


【修正率】
・売上高:6.6%増
・営業利益:18.8%増
・経常利益:19.7%増
・最終利益:58.3%増


同社では、出版事業の電子書籍の売上が増加したほか、、版権事業の一部の作品について来期に売上を予定していたものが当期に売上予定となったため、としている。出版事業の電子書籍売上や版権事業売上は採算性も高く、利益にも大きなインパクトを与えた。
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