実業之⽇本社、スケブを10億円で買収 イラストコミッションサービス「Skeb」の⽉間取引⾼は約2億円まで成長


実業之⽇本社は、2021年2⽉1⽇付で、イラストコミッションサービス「Skeb」を運営するスケブの過半数の株式を取得し、子会社化したと発表した。

同社は今回の買収について、「デジタル化の進展によって出版の概念そのものが大きく変わりつつあるいま、株式会社スケブが提供するサービスと蓄積してきた知見は、当社のみならず出版そのものの未来を変える力になると確信しております。当社と株式会社スケブは、Skeb事業の拡⼤と新たなクリエイター⽀援事業を推進し、新しいコンテンツビジネスのかたちを創造してまいります。」とコメントしている。

現在コミッションサービス「Skeb」は、100以上の⾔語に対応した⾃動翻訳機能と越境決済機能によって、案件の約20パーセントが海外からの利⽤とのこと。業界最安値の⼿数料と最短即⽇⼊⾦の報酬サイクルが特徴で、2018年12月の創業以来、利用者は着実に増加していまし。昨今では、社会情勢の変化により、新たな収⼊源を求めるクリエイターの登録が急増し、2021年2⽉現在、総登録者数100万⼈超、クリエイター登録者数約5万⼈、⽉間取引⾼約2億円と、国内最⼤級のコミッションサービスとなっている。

また、スケブの代表である喜⽥ ⼀成氏のTwitterによると、全株式を10億円で譲渡したという。譲渡理由について、4つの理由を挙げている。

1. 僕一人で月間数億円の取引や資金を管理するのはリスクと感じたから。強力な親会社が就くことで利用者に安心して欲しいから。

2. 趣味で開発したサービスだったが、サポート対応や保守の作業が急増し、本業や新しいことが何もできなくなったから。

3. Skebをクローンした後発サービスも複数登場し、クリエイターに有利な「リテイクなし」「打ち合わせなし」のSkebスタイルが定着。日本のコミッションのデファクトスタンダードとなり、当初の目標だったクリエイターの地位向上について一定の成果を社会に残せたから。

4. VRSNSやVtuberの普及によりアバターの販売市場が急成長しているが、アマチュアVR技術者をやりがい重視で低報酬で依頼する企業や案件をVRSNSで過ごすうちに多数目撃した。Skebと同じく新しい収入源の提供によって交渉を有利にしてもらう手法により、彼らの地位向上が急務であると感じているから。

skebの運営について、引き続き代表は同氏が務め、手数料やキャンペーン、仕様変更の決定権も保ったままとのこと。実業之⽇本社からは今まで通り自由で、手数料やクリエイターファーストの方針は変わらないことも明らかにしている。