ironSource、モバイルゲームのマネタイズ戦略と広告ユーザーセグメントを解説

<メーカー発表資料をそのまま掲載しています>



ゲーム業界において、 ユーザーセグメントの概念は目新しいものではありません。 しかし、 広告におけるユーザーセグメントは軽視されがちです。 厳しいコロナ禍で、 アプリデベロッパーは今まで以上に競合優位性の向上を求めていて、 今日のゲームエコスステムの中では特に広告ユーザーセグメントの重要性が増してきています。 マネタイズ戦略と広告ユーザーセグメントについて、 ironSourceでプロダクト戦略責任者を務めるJustin Normanが説明します。 

ゲーム業界ではユーザーセグメントはこれまで積極的に活用されてきました。 コロナ禍においてアプリデベロッパーは今まで以上の競争を強いられ、 またセグメントツールの高度化に伴い、 より深い広告ユーザーセグメントの重要性が増しています。 広告戦略と連動したユーザーセグメントの活用法は様々ですが、 過去のオンライン行動や次に想定される行動またはその他の何らかの特徴に基づき、 ユーザーの広告体験をパーソナライズするという目的は共通しています。 広告体験を最適化することで、 ユーザー体験とリテンション率を向上させ、 アプリ内課金と広告収益を最大化できるのです。

広告収益を最大化するには、 各セグメントグループに応じた戦略を実施する必要があります。 ここではゲームの付加価値を高め、 そして新たな収益源を確保するための具体的な施策を紹介します。


課金と非課金ユーザーのセグメント分け
最も基本的な形態は、 課金ユーザーと非課金ユーザーを分類し、 それぞれのグループにて広告へのエンゲージメントやエンゲージメントの可能性を最適化します。 一般的には、 課金ユーザーに対して「広告を一切表示しない」「ユーザーが自ら観ることを選択する動画リワードのみ表示する」「フリークエンシーや動画リワードの報酬規模を調整する」といった施策を実施します。 これらのグループに対して一元的に有効な施策はありません。

ただし、 オプトイン形式でかつ満足度が高い動画リワードを課金ユーザーから排除する際の影響については予め十分に考慮しましょう。 ユーザーとしては機会損失を受けたような印象を抱き、 結果的に離脱へ結びついてしまうリスクがあります。 また課金プレイヤーが、 ゲーム内の難関を突破するために動画リワードを視聴し、 その後また課金することもあり得ます。 このようなユーザーはゲームを進行させるためにはありとあらゆる機能を活用するという意味では最も理想的です。 単なる課金ユーザーよりもリテンション率は高い傾向にあります。

またこの種のセグメンテーションにおいては、 以下の2点を把握することが重要です。 1.新規ユーザーはどの時点で無課金ユーザーに分類されるのか。 ゲームのインストール後7日以内に課金しないユーザーなのか、 それとも課金なしである一定のレベルにまで到達したユーザーを意味するのか。 2.一度課金したユーザーはどの時点で無課金ユーザーへとセグメントが変更されるのか(14日経過後など)。 こうした各セグメントの定義が変われば、 1日のアクティブユーザーの平均利用額(ARPDAU)、 リテンション、 顧客生涯価値(LTV)や、 場合によってはアプリストアのランキングに至るまでの効果指標にも大きな影響を与えます。

またゲームの進行状況やエンゲージメントの高さから課金ユーザーとなる可能性が高いと判断したユーザーを、 さらに別のグループに分類することも可能です。 動画リワードを視聴したプレイヤーは、 アプリ内課金を行う可能性が高いことにも留意しましょう。 潜在的な課金ユーザーに対して動画リワードの接触機会を減らしたり、 表示回数を制限した場合、 全体的な収益やパフォーマンスが下がる恐れがあります。

課金せず、 動画リワードも視聴しないプレイヤーにはまた別の対応が必要です。 継続ユーザーとして収益化する可能性を残すため動画リワードを表示しつつ、 インタースティシャルやバナー広告を表示する手法があります。 このセグメントグループがある程度まで整備できたら、 インタースティシャル広告のフリークエンシーを最適化するために、 セグメントをさらに細分化していきます。 この作業を通じて、 1ユーザーあたりの平均的売上(ARPU)やLTVの最大化に必要な適切なバランスを見つけ出すのです。 あまりに何度もインタースティシャル広告を表示するとユーザー体験を阻害し、 離脱につながります。 また逆に少なければそのユーザーから得られる収益機会が減少します。

またプレイヤーは必ずしも一度振り分けられたセグメントグループに留まり続けるわけではありません。 収益最大化に向けて、 どのように分類そして更新するかについて予め決めておきましょう。


セグメンテーション上級編
課金ユーザーと非課金ユーザーに対して行う施策について、 両グループへ適用する場合と個別で適用する場合にかかわらず、 ユーザーセグメントは様々な応用が可能です。 例えば、 在住国などプレイヤーの特徴に応じて、 動画リワードの報酬規模または報酬内容を変更するという方法があります。 市場ごとに異なる価値を提供すること自体は決して珍しいものではありません。 アプリ内課金では各ユーザーの購買力に応じて報酬を変更するなどの施策が長らく実施されてきました。 ゲーム先進国と後進国では、 動画リワードの視聴との引き換えとしてプレイヤーが期待する報酬の規模や内容が大きく異なる可能性があるからです。

またゲームの到達レベルや進行具合に応じて報酬規模や内容を変更することも有効です。 ゲームが進行するにつれて、 プレイヤーのエンゲージメントは高まり、 また一般的にはゲーム自体の機能が向上し、 ゲーム内アイテムに対する要求度は高くなります。 より魅力的なアイテムをより高額で提供するようになれば、 そのアイテムを購入するプレイヤーは自ずと減っていきます。 このような状況になれば、 プレイヤーを失うか、 動画リワードの視聴を通じて得られる報酬をより大きくするかのいずれかを選択しなければなりません。 ただし、 このようなゲームの到達レベルに応じたセグメント化に際しては、 ゲーム内課金の価値を維持するためにも、 課金及び無課金ユーザーを区別することが必須です。

さらにユーザーの獲得チャネルに応じてユーザーを区別することもできます。 クロスプロモーションか、 特定のキャンペーンなのか、 ゲームアプリ経由なのか、 もしそうならハイパーカジュアルゲームなのかハードコアゲームなのか。 これらの流入元による違いに応じて異なるセグメントを作成することで、 広告体験の最適化を図ることができるかもしれません。


ユーザーごとの広告収益データを活用
ゲームと同様に、 ゲームを支えるテクノロジーであるゲームテックも複雑で奥深いものです。 このゲームテックとして提供するツールのひとつが、 全てのアドネットワークにおける全ての広告ユニットと端末ごとに、 正確に広告収益を計測する機能です。 この機能を通じてマネタイズ動向におけるインサイトを得られるので、 ユーザーセグメントの最適化において非常に有用です。

例えば動画リワード、 インタースティシャル、 バナーといった異なる広告ユニットごとに異なる反応を示したユーザーを区別し、 それぞれのグループに対して異なるマネタイズ戦略を適用することが可能です。 またこれらすべての広告ユニットをユーザーごとにまとめてLTVを算出できます。 これらのデータを閲覧すれば、 どのユーザーから広告収益を得やすいかを把握し、 またそれらのユーザーを個別のセグメントに分類すれば新たな広告施策を展開できるでしょう。


エンゲージメント予測
洗練されたユーザーセグメントは単純に自社のセグメント戦略に合わせるためだけではなく、 当然ながら収益性の向上につながらなければ意味がありません。 セグメントを有意義なものにするためにエンゲージメント予測とよばれる、 アプリ内課金や広告への接触に直結させる施策である必要があります。 リテンション、 アプリ内購入、 広告へのエンゲージメントなどにつながりやすいパターンが把握できれば、 新たな収益を生み出すことにつながるはずです。
ironSource Japan
https://www.ironsrc.com/ja/

会社情報

会社名
ironSource Japan
設立
2010年4月
代表者
峰 秀一郎(General Manager in Japan)
上場区分
kimura
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