【ChinaJoy企画 Vol.1】時価総額3800億円超の中国メガパプリッシャーYOOZOOGAMES…同社が語るゲームコンセプトと日本市場とは


2020年7月31日~8月3日、ChinaJoy組織委員会はにおいて、中国のデジタルエンターテインメント展「ChinaJoy 2020」が開催された。ChinaJoyと言えば、世界最大規模となるえインターテインメントイベントとなる。今年は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて「東京ゲームショウ」「E3」「gamescon」「Paris Games Week」など各国の大規模なイベントの中止が相次ぐ中、ChinaJoyは予定通りの開催となったが、海外からの「China Joy」への参加は難しく、日本からの参加企業も少なくなったといえよう。

そこで今回、アリババクラウドの協力のもと、ChinaJoyの中継や中国ゲーム企業へのメールインタビューを実施。本稿では、日本でも『成り上がり』や『レッド:プライドオブエデン』にて知られるYOOZOOGAMESのにメールインタビューを実施。同社からみた中国市場について聞いてきた。 

 

■中国発のIPにおいても萌芽の傾向


 
――:まずは、簡単な自己紹介からお願いします。

YOOZOO GAMESは2009年に設立され、現在は連結子会社を含めての従業員数は約3000人になります。ブラウザゲーム分野では、弊社はグローバルにおいて最大規模を誇る開発会社の一つとなり、現在開発・リリースしたモバイル・ブラウザゲームの数はすでに40タイトルを超えています。日本にでは2018年子会社を設立した以来、『成り上がり-華と武の戦国』『ステラアルカナ-愛の光と運命の絆』『三国志ブラスト-少年ヒーローズ』『レッド:プライドオブエデン』などのゲームをリリースしました。その間、多くのユーザーたちから厚い支持をいただき、感激の至りです。おかげさまで、現在の日本ゲーム売上ランキング(パブリッシャー別)ではトップ15にもランクインしました。

ゲーム事業のほかには、YOOZOO PicturesとYoozoo Sportsも有しています。とくに、YOOZOO Picturesは『三体』IPのホルダーでもあります。『三体』は日本でも大変人気のようで、現在『三体』関連のドラマ・映画、アニメとゲーム作品を鋭意製作中です。
 
――:御社の特徴や戦略についてお聞かせいただけますでしょうか。

ゲームのクオリティを非常に重要視し、年に2タイトル以上の良質なゲームをリリースするようにしています。特にカードゲームにおいては、弊社は豊富な開発経験を積んでおります。自社IP『少年三国志』(中国語名)シリーズは2020年3月にアメリカのフォーブス世界記録に「最も売れた三国カードRPG」として認定されています。全世界のダウンロード数は2億DLを超えています。その他、弊社はシミュレーションゲーム分野に最も早いうちに進出した会社の一つでもあります。

クオリティという面では、その分野における知識や世界観をしっかりと作りこむようにして、展開する地域やそのユーザーに合わせた作品を作り上げるように心がけています。

日本においては、『成り上がり-華と武の戦国』、2019年1月にリリース。弊社が日本市場向けに特別にデザイン・ローカライズした初めての作品です。その背景の一つとして、日本市場の中で日本歴史をテーマとしたゲーム作品がそれほど多くないことに気づいたことが挙げられます。そのため、日本戦国好きのユーザーたちに本作を用意しました。


日本ユーザーにとってけっこう斬新なシステムを有するシミュレーションゲームでもあります。リリースした直後のユーザー数はそれほど多くないが、ユーザー側から非常に有意義でポジティブなご意見を多数いただき、感激の同時に激励されるところも大きいですおかげさまで、リリースしてから18ヶ月経った今でも本作の成績はなお向上し続けています。

『ステラアルカナ-愛の光と運命の絆』、2020年3月リリース。本作を通して、ユーザーたちに癒し、リフレッシュをもたらすことを願っております。忙しい仕事の合間にも、社交生活を楽しみ、ほかのユーザーたちと一緒に冒険することができるタイトルです。リリースした後、嬉しいことにHIKAKINさんとはじめしゃちょーさん、日本トップレベルのYouTuberさんに本作をプロモーションしていただきました。これほど多くのご愛顧をいただき、まことにありがとうございます。


そして今年の4月に、弊社の自社IPの『三国志ブラスト-少年ヒーローズ』をリリースしました。ほかの三国をテーマとしたゲームと違って、本作は少年ヒーローズをメインテーマに、少年時代の三国キャラを勢ぞろいさせ、これを通して、三国好きのユーザーたちに世界を救う英雄になる経験を楽しんでいただきたいです。


『レッド:プライドオブエデン』は、シナリオチームミカガミ、そして中国科学院と連携し、日本ユーザーたちのために特別に開発したアニメ風のRPG作品です。本作を通して、絶滅危機動物への関心が少しでも高まることを心より願っております。本作は謎のことでレッド化(動物の特徴と異能力に目覚めた)した美少女たちと一緒に冒険を繰り広げるゲームです。コミカルな日常系シナリオもありつつ、裏には「レッド」と人間の共生というシリアスな一面もあります。本作には絶滅危機に瀕している動物、すでに絶滅した動物たちの悲しい話も盛り込まれています。本作に登場するレッドたちはすべて実在の動物をモチーフにし、各々の特徴・習性もちゃんと中国科学院動物関連の専門の方と相談をして設定を行っています。

――:中国のゲーム市場についてはどうみていますか。

中国はすでに世界で最も規模の大きいゲーム市場に成長してきました。ゲームユーザー数は6.57億人もいます。2020年上半期のゲーム市場は1395億人民元で、前年比22.34%増のプラス成長となりました。

ジャンルからみれば、RPGは以前として中国で最も人気のあるジャンルです。日本アニメの影響を受けているユーザーも非常に多くて、日本発の文化とコンテンツは非常に人気です。

弊社では、今回のChinajoyでは上記の作品を展示しました。同時に中国人気タレントさんを『三国志ブラスト-少年ヒーローズ』の宣伝大使として招いていただきました。


中国ゲーム市場はPCゲーム、ブラウザゲーム、そしてモバイルゲームの時代を経験してきました。その間、中国の開発会社とパブリッシング会社もずいぶん成長しました。この激しい競争の中で、開発チームもますますゲーム自体のクォリティを重視するようになりました。これからより多くの優秀なゲーム作品が生まれるでしょう。

――:日本ゲーム市場の印象についてお聞かせください。

日本ゲーム市場は畏敬すべき市場です。日本ユーザーの作品に対するこだわりはかなり強くて、同時に優秀な作品への信頼も厚い印象です。日本に作品を配信して以来、ユーザーから作品への熱意とありがたいご意見を多数いただきました。これからもユーザーたちのご意見を真摯に受け止め、日本ユーザーたちが好きな内容を提供することを努力していきたいと思います。

また、日本は世界において文化輸出大国の一つでもあり、優秀なクリエイターさんを多数有しています。将来、現地の優秀なプロデューサーさんやクリエイターさんと連携し優秀な作品をユーザーたちに届けられたら幸いです。



――:日本市場においては現地の企業とパートナーを組んで展開していくことを重視しているのでしょうか。

中国進出についてぜひご相談頂ければ幸いですが、日本市場に関してはまだ色々勉強させて頂きたいと思っています。ですので、もっと交流の輪を広げて行き、様々な企業様とお付き合いしていきたいと考えています。また、ワールドワイドのパブリッシャとして、日本市場以外にユーザークオリティ高い欧米のほうも大きく力いれております。


――:最後に一言お願いします。

業務提携に対し、弊社は常に開放的な態度をとっております。将来もより多くの日本同業者たちと連携し、日本市場により多くの優秀な作品を提供することを願っております。そして、近いうちに『三体』IPのゲーム化窓口をオープンする予定です。世界一流のプロデューサーさんとスタジオと共にすてきなコンシューマーゲームとスマホゲームを作ることを願っております。

(取材協力:アリババクラウド


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