【ChinaJoy企画 Vol.3】ローグライクジャンルやMMORPGを手がける中国ゲーム企業「Leiting games」…同社からみた日本市場と今後の戦略とは


2020年7月31日~8月3日、ChinaJoy組織委員会はにおいて、中国のデジタルエンターテインメント展「ChinaJoy 2020」が開催された。ChinaJoyと言えば、世界最大規模となるえインターテインメントイベントとなる。今年は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて「東京ゲームショウ」「E3」「gamescon」「Paris Games Week」など各国の大規模なイベントの中止が相次ぐ中、ChinaJoyは予定通りの開催となったが、海外からの「China Joy」への参加は難しく、日本からの参加企業も少なくなったといえよう。

そこで今回、アリババクラウドの協力のもと、ChinaJoyの中継や中国ゲーム企業へのメールインタビューを実施。本稿では、ローグライクジャンルやMMORPGを主に展開している「Leiting games」にメールインタビューを実施。、昨今の日中モバイルゲーム市場の雑感と今後の展開について聞いてきた。 

 

■長年培った開発力に日本のコンテンツ設計を組み合わせた更なる飛躍を


 
――:まずは、簡単な自己紹介からお願いします。

Leiting gamesは中国上場企業「G-bits」の子会社で、2011年設立されてからゲームパブリッシング(モバイル・PC・コンソール)や開発投資などを中心に業務展開しております。代表作としては、中国の道教文化をモチーフとしたターン制MMORPG『問道(Ask Tao)』(PC+モバイル)になり、PC版は2006年にリリース、モバイル版は2016年にリリースいたしました。モバイル版での売上としては、これまでに1500億円(2020年7月まで)を超えており、月間の売上においても最高で70億円規模となります。ユーザー数も3500万DLを突破しており、今年の4周年イベントでは当日売上が9億円を突破するなど、今でも遊んでいただけております。


『問道(Ask Tao)』4周年イベント
 
――:御社の特徴や戦略についてお聞かせいただけますでしょうか。

親会社である「G-bits」との連携もあり、300人近くの開発チームが配備されており、PCゲームやモバイルゲームに関して豊富な開発経験(特にターン製MMORPG)を有しております。ラインナップとしてもローグライク系のタイトルが多く、やりこみ要素のあるゲームプレイ設計が特徴かと思います。中国においても、ハードコアやミッドコアユーザーを向けに、厳選されたタイトルしか配信しないことでも評価されることも多いです。

また、「G-bits」では社内企業や開発投資にも力を入れており、日本で活躍している『アズールレーン』のデベロッパーの1つである勇仕網絡、中国で頭角を現しているアプリプラットフォームTaptap、「Cytus」や「DEEMO」など世界的な人気を誇るゲームメーカーRayark、近頃中国セルランTop3に乱入した『最強蝸牛』のデベロッパーであるQcplayなどの成功事例があります。

他にも、長年ネット出版業に携わっており、版号申請を主業とする子会社を二社持っております。弊社の協業パートナー様には、版号申請向けのゲーム内コンテンツの審査・修正・手続き全般などのサービスを無料で提供しております。



――:中国のゲーム市場についてはどうみていますか。

競争が激しくなる一方で、ハイクオリティは当然、さらに差別化されたゲームプレイを求めるLTVの高い優良ユーザーの獲得今まで以上に重要な課題となっています。版号(ISBN)の事情も含め、海外タイトルのライセンスインを検討する際、コンテンツの設計や収益性に関する基準もより一層厳しくなりました。

女性向けゲームやIP産業は大きなポテンシャルを見せてくれましたが、どのように若年層のニーズを先読み、その市場を切り開いてマネタイズを実現するか、弊社の中で新たな課題になっています。より高いクオリティを追求するゲームユーザーが増え、PCやコンソールゲーム事業、さらにクラウドゲームは新たな成長ポイントになると考えています。

 

――:日本ゲーム市場の印象についてお聞かせください。

日本は独特なゲーム文化で、参入するハードルが高いと捉えています。中国ユーザーの好みと違いますが、『荒野行動』や『アークナイツ』などの成功でアイスブレイクができたかなと思いながら、中国市場で成功したタイトルをどのように日本市場でもヒットさせられるか、日本現地の企業とも協力しカルチャーライズを行い、プロモーション手法を工夫することが重要だと思います。

中国企業の開発力が高くスピードが早いことと、日本企業のIP資源、ブランド力やコンテンツ設計力が優れているところをうまく組み合わせていけば、日本市場での競争力が高まると思います。



――:日本市場においては現地の企業とパートナーを組んで展開していくことを重視しているのでしょうか。

中国進出についてぜひご相談頂ければ幸いですが、日本市場に関してはまだ色々勉強させて頂きたいと思っています。ですので、もっと交流の輪を広げて行き、様々な企業様とお付き合いしていきたいと考えています。また、ワールドワイドのパブリッシャとして、日本市場以外にユーザークオリティ高い欧米のほうも大きく力いれております。
 

(取材協力:アリババクラウド


■Leiting games
 

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