グリー、第3四半期の営業益は4.2%増の12億円 高採算の自社タイトル好調と広告宣伝費の最適化で収益改善 第4四半期は構造改革で赤字の可能性も




グリー<3632>は、5月14日、2020年6月期の第3四半期(2020年1~3月)の決算説明会資料を公開した。同日発表した決算は、売上高154億4000万円(前四半期比QonQで10.0%減)、営業利益12億4000万円(同4.2%増)、経常利益12億3000万円(同8.2%減)、最終利益11億8000万円(同0.3%減)となった。営業利益は予想を上回る着地だった。
 


説明にあたった取締役CFOの大矢 俊樹氏(写真、18年10月撮影)は、「自社オリジナルタイトル『アナザーエデン』は海外売上が好調に推移している。グローバル運営体制の強化を1、2年かけてやってきたが、結果が出つつある」と述べた。「『シノアリス』についても海外展開の準備が進捗しており、7月1日にリリースする予定」と期待を寄せた。
 


続いて第3四半期の決算を見ていこう。売上高はQonQで10.0%減の154億4000万円と減収だった。ゲームのポートフォリオの見直しに伴うタイトルクローズや新型コロナウイルスの影響による広告メディア事業の一部の軟調だったことが響いたという。
 


減収となったものの、営業利益については同4.2%増の12億4000万円と増益を達成した。(他社IPタイトルに比べて)利益率の高い自社IPタイトル『アナザーエデン』が好調に推移したことに加えて、プロモーション費用の最適化を行ったことにより、ゲーム事業の収益性が改善した。減収の影響をカバーした。
 
 
▲費用構成。広告宣伝費とその他(外注費)が減少した。


なお、続く第4四半期(4~6月)の業績見通しについては非開示としているが、赤字になる可能性があるとした。新型コロナウイルスの影響が広告メディアの一部に出ているほか、中期的に事業に影響を与えるとの観点から構造改革を行うため。事業ポートフォリオの見直しと固定費削減などに取り組むもので、来期(21年6月期)以降にポジティブな影響をもたらすとみているという。
 
▲開発パイプラインは今期中にリリースするタイトルはなく、2021年6月期以降にリリース予定の4~6本となる。『アサルトリリィ Last Bullet』『ワンパンマン』『Heaven Burns Red(ヘブン バーンズ レッド)』と期待作ぞろいだ。


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(編集部 木村英彦)
グリー株式会社
http://www.gree.co.jp/

会社情報

会社名
グリー株式会社
設立
2004年12月
代表者
代表取締役会長兼社長 田中 良和
決算期
6月
直近業績
売上高754億4000万円、営業利益124億9800万円、経常利益130億8600万円、最終利益92億7800万円(2023年6月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3632
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