インフォコム、20年3月期の営業益は20%増の82億円…「めちゃコミック」と医療向けシステムが伸長

インフォコム<4348>の2020年3月通期の連結決算は、売上高583億7500万円(前年同期比12.8%増)、営業利益82億1100万円(同19.2%増)、経常利益82億6800万円(同20.3%増)、最終利益55億4300万円(同15.9%増)と2ケタの増収増益を達成した。

電子コミックサービス「めちゃコミック」の売上が引き続き好調に推移したほか、ITサービスでは改元対応・消費税増税対応で病院向けが伸びたことが増収増益の要因となった。

 


セグメント別の状況は以下のとおり。


① ITサービス・セグメント
ITサービス・セグメントは、改元対応・消費税増税により病院向けが好調に推移し売上高は253億9100万円(同4.8%増)、営業利益は32億5000万円(同30.7%増)となった。

ヘルスケア事業は、働き方改革への対応に伴い病院における複雑な勤務状況の管理に有効な就業管理システムの販売が拡大した。また、手術部門システムにおいて災害発生時の情報共有を実現するダッシュボード機能を展示会で発表した。加えて、病院向け事業のアジア展開等を視野にヘルスケア領域に特化したベンチャーキャピタルと契約した。更に、従業員の健康状態を一元管理し、健康リスクや生活習慣病等の分析・予測が可能なサービス「WELSA」の提供を開始した。

地域包括ケア領域では、介護職向け転職支援サービス「ケアスタイル」のマッチング精度向上等を図るため人材紹介事業を展開するスタッフプラスを連結子会社化した。企業向けでは、文書管理システム「MyQuick」において電子契約サービスとの連携やAIによる自動入力に対応し契約書管理業務の効率化を図った。また、統合業務ソフトウェアパッケージ「GRANDIT」にクラウド基盤を組み合わせたサービスの提供を開始した。


② ネットビジネス・セグメント
ネットビジネス・セグメントは、電子コミック配信サービスにおいてデータ分析による広告最適化に加え無料連載やオリジナルコミックの好調が寄与し、売上高は329億8300万円(同20.0%増)、営業利益は49億5100万円(同12.7%増)となった。

同サービスの広告強化の施策として、テレビコマーシャル放映期間の拡大や東京ヤクルトスワローズの冠スポンサー試合「めちゃコミックDAY」の実施、FC東京とのクラブスポンサー契約の締結に加え、「めちゃコミック」の人気作品をリアル書店の売り場で紹介する「めちゃ本屋」を5月と11月に実施した。

また、ユーザ拡大の施策として、若年層をターゲットとした「めちゃコミック」のアプリ版の提供を開始した他、Web版の機能をリニューアルし「毎日無料連載」を開始した。この結果、売上高は同サービス開始以来初となる300億円を突破した。

海外展開では、韓国の電子コミック事業者であるピーナトゥーンの連結子会社化に加え、アムタスとパピレスの共同出資による海外事業を目的とした会社を設立した。


 
■2021年3月期の見通し

2021年3月期の連結業績は、売上高670億円(前期比14.8%増)、営業利益87億円(同6.0%増)、経常利益87億円(同5.2%増)、最終利益57億円(同2.8%増)を見込む。

 
インフォコム株式会社
https://www.infocom.co.jp/ja/index.html

会社情報

会社名
インフォコム株式会社
設立
1983年2月
代表者
代表取締役社長CEO 黒田 淳/代表取締役 竹原 教博
決算期
3月
上場区分
東証プライム
証券コード
4348
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