東映、中間期の営業利益は25%増の135億円…映画興行が好調、アニメやゲームの版権収入も貢献

東映<9605>の中間期(4|9月)の連結決算は、売上高760億4400万円(前年同期比17.4%増)、営業利益135億7000万円(同25.7%増)、経常利益152億7000万円(同24.4%増)となり、最終利益69億400万円(同47.8%増)と2ケタの増収増益を達成した。映画興行が好調に推移したほか、子会社東映アニメーションの決算報告でも触れられていたが、アニメやゲームなどの版権収入も貢献した。

映像関連事業では、映像4部門(映画事業・ビデオ事業・テレビ事業・コンテンツ事業)の連携強化や興行関連事業・催事関連事業の積極展開等によって収益の拡大を図るとともに、観光不動産事業・建築内装事業の各部門にでも堅実な営業施策の遂行に努めた。

セグメントごとの経営成績は、次のとおり。


①映像関連事業
売上高は498億2300万円(前年同期比14.7%増)、営業利益は109億8400万円(同21.6%増)だった。

映画事業では、提携製作作品等22本を配給し、「劇場版『ONE PIECE STAMPEDE』」が大ヒットを収めたのに加え、「劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer/騎士竜戦隊リュウソウジャー THE MOVIE タイムスリップ!恐竜パニック!!」が好稼働した。また、前連結会計年度における公開作品のうち「翔んで埼玉」(2月22日公開)も好稼働した。

ビデオ事業では、主力の劇場用映画のDVD・ブルーレイディスク作品に加えて、テレビ映画のDVD・ブルーレイディスク作品を販売した。

テレビ事業では、「特捜9」「科捜研の女」「仮面ライダージオウ」等を制作して作品内容の充実と受注本数の確保に努め、また、キャラクターの商品化権営業も好調に推移した。

コンテンツ事業では、劇場用映画等の地上波・BS・CS放映権及びビデオ化権の販売に加え、VOD(ビデオ・オン・デマンド)事業者向けのコンテンツ販売等を行った。アニメ関連では、国内外でのアプリゲーム化権販売に加え、海外での「ドラゴンボール」シリーズや「ワンピース」の商品化権販売、並びに「劇場版『ONEPIECE STAMPEDE』」の公開に向けた国内のタイアップ・販促向け許諾が好調に推移した。


②興行関連事業
売上高は129億6600万円(前年同期比22.3%増)、営業利益は16億4700万円(同63.5%増)だった。映画興行業では、ティ・ジョイ運営のシネコンが好調に稼働し、205スクリーン体制(東映直営館4スクリーン含む)で展開している。


③催事関連事業
売上高は50億2300万円(前年同期比13.5%増)、営業利益は10億3700万円(同30.9%増)だった。催事事業では「不思議の国のアリス展」や「シルバニアファミリー展」、人気キャラクターショーなど各種イベントの提供を行うとともに、映画関連商品の販売など積極的な営業活動を展開した。また、東映太秦映画村は引き続き堅調に推移した。


④観光不動産事業
売上高は31億9900万円(前年同期比0.4%増)、営業利益は13億2200万円(同5.4%減)だった。不動産賃貸業では、「プラッツ大泉」「オズ スタジオ シティ」「渋谷東映プラザ」「新宿三丁目イーストビル」「広島東映プラザ」等の賃貸施設が稼働した。ホテル業においては、インバウンド需要の拡大に伴いマーケットは好調を維持する一方、民泊の解禁など新規参入により競争が激化するなか、湯沢東映ホテルの温浴施設のリニューアルを実施するなど、収益の確保に向けて積極的な営業活動を展開した。


⑤建築内装事業
売上高は50億3100万円(前年同期比62.4%増)、営業損益は700万円(前年同期は6800万円の赤字)だった。建築内装事業では、公共投資は弱含みではあるものの、関連予算の執行により底堅く推移することが見込まれており、設備投資も緩やかに増加していることなどから、受注環境は良好な状況となった。しかしながら、技術労働者の不足や建築資材価格の高止まりなど、依然として厳しい経営環境が続いており、楽観は出来ない状況となっているという。
東映株式会社
https://www.toei.co.jp/

会社情報

会社名
東映株式会社
設立
1949年10月
代表者
代表取締役会長 多田 憲之/代表取締役社長 吉村 文雄
決算期
3月
上場区分
東証プライム
証券コード
9605
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