​任天堂の宮本茂氏、アドベンチャーゲームの制作は「結構難しい状況」 ローカライズコストやニーズの関係で積極的に作りづらい

任天堂<7974>代表取締役フェローの宮本茂氏は、6月27日に行った第79期定時株主総会で、アドベンチャーゲームの制作について「結構厳しい状況」にあると明かした。『ファミコン探偵倶楽部』など長く語り継がれるアドベンチャーゲームをコンスタントに出してほしいという投資家の発言に答えたもので、その理由についても丁寧に説明した。

同社では、今や新作タイトルは10ヶ国語以上にローカライズした上で、グローバルで発売しているが、宮本氏は、このゲームジャンルではボイスやテキストが多いため、ローカライズのコストが膨大になることを理由にあげた。世界展開を前提とした開発体制では難しいということだ。

さらに若い人にこのジャンルのタイトルに興味を持ってもらえない傾向にあること、つまり、需要が少ないこともあげた。

宮本氏は、カプコン<9697>の『逆転裁判』シリーズや、レベルファイブの『レイトン教授』シリーズなどをアドベンチャーゲームの面白い仕組みをうまく利用したタイトルとして評価し、今後の発展に期待を示したものの、現在の任天堂では主流のタイトルとして積極的に作るのは難しいと述べ、質問した投資家に理解を求めた。
任天堂株式会社
http://www.nintendo.co.jp/

会社情報

会社名
任天堂株式会社
設立
1947年11月
代表者
代表取締役社長 古川 俊太郎/代表取締役 フェロー 宮本 茂
決算期
3月
直近業績
売上高1兆6016億円、営業利益5043億円、経常利益6010億円、最終利益4327億円(2023年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
7974
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