2019年 年頭所感(株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングス 松田 洋祐社長)

株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングス
代表取締役社長 松田 洋祐
 


謹んで年頭のご挨拶を申し上げます。


技術普及と応用、新サービス創出への可能性
2018年は、新しいテクノロジーがいよいよ本格的にビジネス実践段階に向けて着実に進んでいることを実感させる年でした。スマートフォンも既に世界中に行き渡り、VR・AR技術等も特にエンタプライズ分野において相当な普及を見せており、エンタテインメント・コンテンツ分野においても、ゲームコンテンツのみならずバーチャルユーチューバー(いわゆる「VTuber」)等の新しいサービスに使われています。ブロックチェーン技術も、一時の仮想通貨バブルから落ち着き、仮想通貨のみならず様々な分野に展開をみせています。ゲーム分野においても、ブロックチェーン技術を用いたゲームや、ゲームプラットフォームサービス等の興味深い動きが出てきており、私たちも、今後のデジタルコンテンツ分野におけるブロックチェーン技術の応用に非常に関心をもっています。さらに、決済分野においても、キャッシュレスが官民挙げて推奨され、多くの電子マネーサービスが覇権を目指して鎬を削っています。


新たなプラットフォームへの迅速な対応
このような大きな動きの中、デジタルエンタテインメント業界においては、家庭用ゲーム機が現世代後半を迎え、次世代機の話題も人々の口に上るようになる一方、ゲームのクラウドストリーミングサービスがいよいよ本格化する気配を見せています。既存の家庭用ゲーム機プラットフォーマーに加えて、ストリーミングサービスによる新たなプラットフォームを提供する事業者の参入が本格化するとみられるほか、PCゲーム市場においてもプラットフォーマーの新規参入の動きがあり、ゲームパブリッシャー、ゲームディベロッパーにとって、コンテンツ提供の場が従来以上に増えてきています。特に、ゲームストリーミングサービスは、ゲーム販売におけるボックスからデジタルへの流れを一気に究極まで推し進めるものであり、また新たなビジネスモデルとしてのサブスクリプションと親和性が高いので、今後この流れにどのように向き合うかが成長に向けての重要な論点となってくるものと考えています。


海外市場への積極的な展開を推進
海外市場を眺めると、中国におけるゲーム規制が今後どのような展開を見せるのか、なかなか予断を許さない状況です。それに呼応するかのように、多くの中国系パブリッシャー・ディベロッパーが中国外の地域においてM&A、事業提携等を活発に行うなど、加速度的に国際的プレゼンスを高めています。私たちも彼らとの協業・協力関係を築きつつ、世界戦略を推し進めてゆこうと考えています。また、今まで休眠状態であったインド子会社を今年から再始動し、本格的にインド事業を展開してゆく計画です。通信や決済インフラが整備され、これからのインドは人口・経済力ともにエンタテインメント消費市場として極めて有望であると考えています。今年は、日本からもスタッフを派遣し、インド事業再スタートの年と位置付けて、インド事業の立ちあげを強力に推進し、盤石な事業基盤を確立させます。


このように、2019年はデジタルコンテンツ業界内外で様々な大きな動きがあると予想されます。状況は流動的で視界良好ではないからこそ、大きなチャンスでもあります。平成が終わり新たな時代がはじまるこの2019年をスクウェア・エニックス・グループの新たな飛躍の年とするべく全社一丸となって邁進してまいります。

本年もよろしくお願い申し上げます。
株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングス
https://www.hd.square-enix.com/jpn/

会社情報

会社名
株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングス
設立
1975年9月
代表者
代表取締役社長 桐生 隆司
決算期
3月
直近業績
売上高3432億6700万円、営業利益443億3100万円、経常利益547億0900万円、最終利益492億6400万円(2023年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
9684
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