【セミナー】セガゲームスが中途採用向けの会社説明会を開催…プロデューサー&ディレクター陣が「セガゲームスでのキャリア」を語り合う


12月1日、東京・大崎のセガサミーグループ本社にて、中途採用に向けた会社説明会およびセガゲームスのプロデューサー&ディレクター陣によるトークセッションが行われた。




トークセッションには「龍が如く」シリーズや「JUDGE EYES:死神の遺言」を手がける龍が如くスタジオプロデューサーの佐藤大輔氏、「ソニックフォース」プロデューサーの中村俊氏、「ファンタシースターオンライン2」シリーズディレクターの木村裕也氏が登壇。「セガゲームスでのキャリア」をテーマに、さまざまなトークを展開した。
 

◼︎オフィス移転による新しいセガの制作環境とは




3人はまず、それぞれが所属する部署の雰囲気について話し合う。約24年間セガに勤めている佐藤氏は、自身が所属する龍が如くスタジオを「大人向けのエンターテインメントを作っている」と説明。しかし、部署内の雰囲気が大人っぽいのかと聞かれると「そんなことないです。フランクで優しい感じです(笑)」と否定した。

中村氏が所属する第2CSスタジオは、「ソニック」シリーズに加えて「マリオ&ソニック オリンピック」「ぷよぷよ」などを手がけている。さらに最近は組織改編を経て、「戦場のヴァルキュリア」のチームも合流している。各コンテンツの雰囲気は一致していないものの、「日本のコンテンツを世界に届ける」という考えのもと、幅広く展開している。

また、外部のメーカーと共同で進める小さなプロジェクトから、大人数で手がける巨大プロジェクトまでさまざまな種類があるという。

そして木村氏はオンラインコンテンツ事業部 オンライン研究開発部に所属。オンライン研究開発部は部署名の通りオンラインタイトルを開発しており、『ファンタシースターオンライン2』だけでなく『野球つく!!』、サービスインしたばかりの『龍が如く ONLINE』『イドラ ファンタシースターサーガ』といったスマートフォンタイトルも手がけている。

木村氏によると、スマートフォンとコンシューマ、PCをまたにかけてオンラインゲームを開発する会社は世界的にも少ないという。マルチプラットフォームでの展開は部署の誇れるところだと語ると、今後もアドバンテージを活かした開発を行っていきたいと述べた。



セガといえば、大鳥居から大崎へオフィスが移転したばかり。ということで、新オフィスでの働き方の特徴、以前から変わったことについて話す時間も設けられた。佐藤氏はかつてのオフィスがなくなる寂しさを感じつつも、新しいオフィスの快適さに喜んでいる様子。

ただ、佐藤氏は大鳥居に近い場所に自宅がある影響もあって、朝早めの出勤に生活が変化しているとか。加えてセガゲームスも働き方改革に着手しており、ホワイトな会社になってきていると実感しているそうだ。

中村氏は社内にコンビニが設置されていることを特に喜んでいる様子。以前のオフィスだと信号を挟んだ反対側にコンビニがあり、足を運ぶのに時間がかかった。しかし今では仕事の延長線上でコンビニを利用することができるという。また社内食堂があり、部内のコミュニケーションの場としても活用されていることも明かした。

そして中村氏もまた、会社全体のホワイト化を実感しているという。部内に働き続けているスタッフがいた場合、以前だとなかなか休ませられない雰囲気があったものの、今では上層部が休むよう促す体制が整っているという。そこから発展して、若いスタッフは「効率良く働かなくては」と考えるように変化していると話した。



オンラインゲームを手がける木村氏の場合、他社とのコラボレーションを行う機会が多い。そんなときでもアクセスが良くなったことで直接ミーティングを重ねることが容易になり、スピード感が上がったところを利点として挙げた。

セガグループ内でもスピード感が上がったのは同じで、これまではバラバラだったグループ各社がひとつのビルに集約されており、「同じ会社のミーティングなのに移動で1時間かかる」といった不便が解消されている。

またオンラインゲームだと24時間体制でゲームをチェックする仕事も必要になるが、そこは外部の会社に委託したり、詳細なマニュアルを作成するなどの対策をとっているとのこと。そのおかげで、木村氏自身が深夜に急に出社しなければならないケースはここ数年発生していないという。

部署間のコミュニケーションという点でも旧オフィスからの改善点が見られ、柱や壁が取り払われ、他のチームの活動を見渡せるようになったという。ただし余談として、佐藤氏が所属する龍が如くスタジオだけは、壁が作られていたと明かした。

というのも、当時は「JUDGE EYES:死神の遺言」の発表前で、木村拓哉さんが主演することなどあらゆる情報を社内にも漏らさないように徹底していたそうだ。


 

◼︎変化を恐れず新しいことにチャレンジ…セガの求める人物像


続いてのトピックは各スタジオの特色。どんな人物が働いていて、どんなキャリア形成をしているのか、またどのようにキャリアアップできるのかが3名から語られた。

佐藤氏が所属する龍が如くスタジオはコンシューマタイトル中心に動いていることもあり、プランナーやデザイナー、サウンドといったスタッフがいて、プログラマーがそれを組み合わせるという一般的な体制をとっている。

すべてにスタッフにキャリアアップのチャンスがあり、佐藤氏自身もデザイナーから現在のプロデューサーまで上り詰めたという。職種にとらわれないのが特徴で、誰もがディレクターやプロデューサーになれると佐藤氏は語った。



「龍が如く」シリーズと言えば俳優をモデルにしたキャラクターが登場するのも魅力のひとつだ。モデリングを行う際、俳優の顔をカメラで撮影し、それを元にモデリング。俳優からのフィードバックも反映しながら完成に近づけていく。

佐藤氏いわく、実在する人物を元にしたモデリングに関しては一日の長があり、「他のメーカーもやっているが、数が多いのは間違いなく龍が如くスタジオ」と自信をのぞかせた。

複数のタイトルを手がける中村氏のスタジオは、大小さまざまなチームが存在する。デザイナーであっても作るタイトルによっては費用が少なかったり、それぞれで違った難しさがある。そういう場合は、「マルチに動ける人が望ましい」と中村氏は語った。そして小さなプロジェクトから経験と信頼を積み上げて、自身のキャリアを形成していくことが可能だという。

一方で、いきなり大きなプロジェクトに入り、一部分のみを徹底的に作り上げるスタッフもいるという。また、1人のスタッフが複数のプロジェクトに参加することは少ないが、部署内での異動は十分に有り得る。そこはスタッフの希望を聞きつつ、最大限叶えられるよう動いているとのこと。

「ソニック」など長い歴史を持つ作品の方向性を決めるのは難しいことだが、ライセンスを取り扱うアメリカの部署 と二人三脚でプランを固めていく。海外のトレンドやスタッフがやりたいことをすり合わせながら、ブラッシュアップしていくという。



オンラインゲームだと中心となる職種も変わってくる。木村氏によるとコンシューマと同じくプランナーやデザイナーなどのスタッフが存在し、さらに運営企画というポジションもある。これはモノづくりとは若干違い、サービス寄りの職種となり、イベントやキャンペーンを考える人物だという。

ユーザーからの声を聞くことも多い職種で、問題があれば開発チームにレポートすることも仕事のひとつ。逆に開発チームからデータの分析を依頼する機会もあるという。

さらに「ファンタシースターオンライン2」ではUIプランナーと呼ばれる職種もある。これはUIに特化した仕様書を書く職種で、「オンラインゲームはUIで動いていると言っても過言ではない。単にインターフェース部分だけではなく、新しいコンテンツの中身まで考えたUIを作ってもらう」と説明した。

また木村氏はキャリアアップに関して、「さまざまなパートの中の1人として入って、やがてリーダーになります。その後セクション全体のリーダー、ディレクターやマネジメント職へと進んでいきます」と話す。木村氏をはじめ、チームのマネジメントとディレクターを兼任しているスタッフも多いという。

社内での開発環境については、龍が如くスタジオは自前のドラゴンエンジンを採用、しかしUnreal Engineなども知識として蓄えているという。またオンラインコンテンツ事業部ではUnityなども幅広く扱っている。

現在は部署間の交流も盛んで、社内でCEDECのような技術講演会を開くことも増えている。成功例だけでなく失敗例も頻繁に飛び出し、社内だからこそできる知識の共有が図られている。



最後に3つの部署が求める人物像も紹介。佐藤氏は「モノづくりの情熱を持っている人」と話す。情熱がないと良いものは作れない、人に感動を与えられないとし、情熱さえあれば別業種からの転職でも活躍できると太鼓判を押した。

中村氏は「将来のセガを支えてくれる人」とコメント。いろいろなコンテンツが生まれる中で、ゲームが生き残れるよう高い目線を持って引っ張っていける人が求められていると語った。加えて「自分の中に野望を持っている人」とも働きたいと話す。今は実力がなくても、5年後、10年後には中心人物になっているビジョンを持っている人を採用したいとのこと。

木村氏が挙げたのは「エンタテインメントで世の中の人に喜んでもらいたいと思っている人」。オンラインゲームだとサービスも重要になり、ユーザーの声に対してモチベーションを感じられる人でなければ難しい。実務だと自分から仕事を作り出せることも重要だ。仕事の中に無駄があれば改善し、変化を恐れず新しいことにチャレンジする人が望ましいと語った。

 

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株式会社セガ
https://www.sega.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社セガ
設立
1960年6月
代表者
代表取締役会長CEO 里見 治紀/代表取締役社長COO 杉野 行雄/代表取締役副社長 内海 州史
決算期
3月
直近業績
売上高1916億7800万円、営業利益175億3900万円、経常利益171億9000万円、最終利益114億8800万円(2023年3月期)
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