【アクセルマーク決算説明会】『マジバト』配信開始でゲーム事業に復調の兆し 開発中の新作『終幕彼女』は「サービス開始時期を延期」(尾下社長)


アクセルマーク<3624>は、11月13日、東京都内で2018年9月期の決算説明会を開催した。決算説明会に先立って発表された2018年9月期通期の連結決算は、売上高24億6600万円(前々期比25.5%減)、営業損益4億1600万円の赤字(前々期2億5900万円の赤字)、経常損益4億2600万円の赤字(同2億7200万円の赤字)、最終損益5億1100万円の赤字(同3億1600万円の赤字)となった。

説明会では、同社の尾下順治社長が第4四半期の業績概要と各事業の状況、そして続く2019年9月期の第1四半期の業績予想などの説明を行った。今回はその内容をまとめてみた。
 

■新作『マジバト』が1ヶ月分寄与で大幅な増収を達成


まずは業績を四半期推移(QonQ)で見てみると、第4四半期期間(7~9月)は、売上高7億8900万円(前四半期比58.4%増)と大幅な増収を達成し、営業損益1億1300万円の赤字(前四半期1億1700万円の赤字)、経常損益1億1600万円の赤字(同1億2000万円の赤字)と赤字幅が縮小した。その最大のけん引役は、KLab<3656>との共同開発タイトル『幽☆遊☆白書 100%本気(マジ)バトル』(以下『マジバト』)で、8月28日にリリースされた本作が約1ヶ月分寄与したこととが大きく影響している。

ただし、最終損益については、前四半期の1億2100万円の赤字から1億9800万円の赤字への赤字幅が拡大した。これはDMM.comより昨年9月に買収した「DMM.yell」について、当初の計画に収益が達していないとの判断から、譲受時に発生したのれん等を減損損失などを計上したためとなっている。
 
 

■『ワクサガ』は12月の運営移管が決定 『終幕彼女』はサービス開始時期が延期に


続いて各事業ごとの状況を見てみたい。まずはゲーム関連事業だが、『マジバト』のリリースで現在は3タイトルの運営を行っている。ただし、そのうちの1本である自社パブリッシングタイトルの『ワールドクロスサーガ -時と少女と鏡の扉-』(以下『ワクサガ』)については、「リソースの選択と集中を行った」(尾下社長)結果として、12月に運営移管を行うことが決定した。
 

一方、開発中の新作2タイトル『終幕彼女』(エンドロール)と『PP』については、『PP』が「まもなくソフトローンチ」(同)になる見通しだという。『PP』は、同社初のグローバルローンチタイトルとして開発が行われているが、ジャンルは「ニューヨークを舞台としたカジュアルパズルゲーム」だという。
 

『終幕彼女』については、海外や複数チャネル展開の取り組みを視野に戦略の再考を行った結果、新たな座組みやアライアンスが必要と判断し、「年内を予定していたサービス開始時期を延期」(同)した。なお、ゲームの配信も海外配信実績のある大手企業の展開を検討しているという。
 
 

■4Qの広告事業は過去最高の四半期売上高を達成


次に広告事業については、主力のアドネットワーク「ADroutee(アドルート)」が過去最高のimp数を更新し、過去最高の売上高も達成した。また、2019年9月期の第2四半期より、これまでのスマートフォン向け配信だけでなく、PC向けの配信機能を追加する予定だ。
 

また、Web広告の広告運用代行サービス「トレーディングデスク」もQonQで売上高が37%増となるなど順調な成長が続いている。その結果、広告事業全体でも2018年9月期の第4四半期期間は過去最高の四半期売上高を更新している。
 

and Experience事業では、「coscrea」が東京ゲームショウで使用されたCAPCOMコンパニオンの衣装デザインおよび製作を実施したほか、トークンプレセール情報サイト「PlayDApp」の提供を開始した。また、ブロックチェーンゲーム第一弾として開発中の『コントラクトサーヴァント』については、英語・日本語・中国語(簡体字)・韓国語での同時リリースに向けた開発が進められている。
 
 

■今期1Qも『マジバト』フル寄与でQonQで増収見込む 新作展開の費用先行は継続


続く2019年9月期の業績予想は非開示で、同社は第1四半期(10~12月)の予想のみをを開示している。第1四半期は売上高8億1500万円(前期比32.9%増)、営業損益9700万円の赤字、経常損益9900万円の赤字、最終損益9900万円の赤字の見込み。

売上高は、『マジバト』の売り上げが四半期を通して寄与することで増収となる見通し。一方で、利益については、『マジバト』のサービス開始後の初期プロモーション費用のほか、開発中の新規ゲームタイトル、ブロックチェーンゲームのサービス開始に向けた費用が先行することで赤字計上が続くとしている。
 
 
(編集部:柴田正之)

 
アクセルマーク株式会社
http://www.axelmark.co.jp/

会社情報

会社名
アクセルマーク株式会社
設立
1994年3月
代表者
代表取締役社長 松川 裕史
決算期
9月
直近業績
売上高21億4400万円、営業損益9800万円の赤字、経常損益1億円の赤字、最終損益1億200万円の赤字(2023年9月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
3624
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