【決算説明資料より】ベクター、既存タイトルの低迷で第2四半期は減収・赤字幅拡大 AppPass受託に向けた投資も実施、2019年1月から開始予定



ベクター<2656>は、10月19日、第2四半期累計(4月~9月)の決算を発表し、営業収益4億6400万円(前年同期比17.8%減)、営業損益1億3200万円の赤字(前年同期9200万円の赤字)、経常利益1億3100万円の赤字(同8200万円の赤字)、最終損益1億3300万円の赤字(同8300万円の赤字)と減収・赤字幅拡大となった。

主力のオンラインゲーム事業において、第30期にサービスを開始したスマホゲームの売上が低調に推移したことに加え、新規ゲームタイトルの開始が今期はなかったことで収益が低迷したとのこと。『アビストライブ』と『侵攻のオトメギアス』『B.LEAGUE ドリームアリーナ』が該当するものとみられる。『B.LEAGUE ドリームアリーナ』は4月に終了し、『侵攻のオトメギアス』は10月22日にサービスが終了した。
 
▲運営タイトルの状況。今期は5タイトル減少し、同数増加したため、横ばいの33タイトルの運営となった。


サービス別の営業収益の推移を見ると、ソフトウェア販売が横ばいだった一方で、オンラインゲームの落ち込みが目立つ。オンラインゲームの営業収益は21.9%減の2億8200万円だった。QonQでみると、2四半期連続で減収となっている。サイト公告については、全体に対する割合は引くものの、減少傾向が続いているとのことだった。
 


四半期別の営業収益と営業利益の推移だが、第2四半期(7~9月)における営業収益は、2015年3月期以降で最も低い水準となった。
 


今後のトピックスとしては、新作アプリとして『幻想大陸エレストリア』を10月25日にリリースした。香港、台湾などの地域で 原題『神殿戦記』としてサービスを展開中のファンタジーRPGとなる。
 


もうひとつの新作は『DRAGON REVENGE』だ。PCブラウザゲームで、3Dグラフィックスで描く見下ろし型のMMORPG。ソロプレイ、マルチプレイに対応しており、大容量のコンテンツが特徴的。直感的プレイが可能でMMORPG初心者でも簡単にプレイできるという。
 


最も大きなトピックスとしては、ソフトバンクの提供する「AppPass」の運用業務の受託があげられる。2019年1月1日から運用を開始する予定だ。運用のための設備投資なども行っているとのことで、第4四半期から本格的に収益に寄与してくることになりそうだ(関連記事)。
 


2019年3月通期の予想は非開示。第3四半期累計(4~12月)については、営業収益8億円(前年同期比14.7%増)、営業損益2億1000万円の赤字、経常損益2億0900万円の赤字、最終損益2億1100万円の赤字を見込む。「AppPass」の運用受託は第4四半期から始まるため、この四半期はまだ投資先行となるもようだ。
 
株式会社べクターホールディングス
https://corp.vector.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社べクターホールディングス
設立
1989年2月
代表者
代表取締役社長 渡邊 正輝/代表取締役副社長 加藤 彰宏
決算期
3月
上場区分
東証スタンダード
証券コード
2656
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