【インタビュー】3周年を迎えた『エレスト』…Studio Zのキーマンにきく周年記念グッズやリアルイベントに懸ける想いとは


Studio Zの『エレメンタルストーリー』が、今年の6月にて3周年を迎えた。本作は、スマートフォンの特性を活用した、誰でも簡単にプレイできるリアルタイム協力プレイ対応のパズルRPG。本作独自要素が散りばめられているパズルゲームとなっている。
 
今年には様々なリアルイベントも実施しており、周年サントラ&アートブックを販売することが先日発表された。
 
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また本作では生放送や独自のファンミーティングなど様々な形にてユーザーコミュニケーションの場がつくられている。本稿では『エレメンタルストーリー』のキーマンにインタビューを実施。3周年の振り返りと同社のリアル施策に対する考え、周年グッズに懸ける思いを聞いた。
 
 

■ユーザーと密にコミュニケーションを取ることを意識した3周年

 
Studio Z 株式会社
『エレメンタルストーリー』
ディレクター
井上 佑泰氏  ※写真右
 
PR担当
菊丸(菊池 顕樹氏)※写真左
大吉(磯 大吉氏)※写真中央
 
 
――まずは皆さんが行っている業務について教えて頂けますか。
 
井上氏(以下、井上):『エレメンタルストーリー』のディレクターを務めている井上と申します。ガラケー時代からゲーム作りはしていて、Studio Zにも立ち上げた時から在籍しています。
 
菊丸:私もStudio Zを立ち上げたときからジョインしています。入社したときはゲームのプランナーとして入り、そこからエンジニアも担当していました。デバッグでゲームに触れる機会も多く、腕前も自然と上手くなって、その影響で生放送にも出演することになったんです。

最初は1回だけの出演予定だったところが、直接ゲームの良さを伝えたいという強い思いから、30日毎日生放送に出演し、自然な流れでPR担当になりました。そんな芸歴6年目になる菊丸です(笑)。
 
大吉:(笑)。私は昨年、元々はサーバーのエンジニアとして入社して、あるとき菊池の手伝いという形でプロモーションに携わるようになり、やがて業務の中心がプロモーションへと変わっていきました。生放送やSNSの運用、グッズ制作も私を中心に進めています。

 

――『エレメンタルストーリー』(以下、『エレスト』)は今年の6月で3周年を迎えましたが、これまでを振り返っての感想はありますか?
 
井上:この1年は既存のコンテンツから新しい楽しい体験を提供していかなければと考えていました。新しさを感じてもらうためにいろんな施策を行って、リアルイベントもそのひとつですし、ゲーム内で言えば共闘対戦型の「グランバトル」もそうですね。
 

3周年ともなると新しいことをするのも難しくなってくるんですけど、良いところを出していかないとユーザーさんも満足してくれません。変えすぎると「なにから手を付けたらいいか分からない」となってしまうので、バランスを見つつ新しい『エレスト』を作っていけたらと考えていました。
 
菊丸:プロモーションとしても、良い方向に変わっている分には嬉しいことです。あとはその変化をユーザーさんに受け入れてもらうことですけど、それは私たちの仕事になります。ゲーム内外でもっとコミュニケーションを取れるよう意識しました。特にリアルイベントは頻繁に行っていて、ユーザーさんの声を直接聞ける機会を積極的に作れるように考えています。

 

――ユーザーさんとのコミュニケーションを強めたいと考えた経緯はなにかあるのですか?
 
菊丸:やっぱりユーザーさんが帰るときの笑顔を何度でも見たいという純粋な思いがきっかけです。その笑顔を実際に見ることで、私たちも「笑顔になって頂けるコンテンツを提供しているんだ」という自信にもなるし、今後の工夫や改善にも強く繋がります。また世代を超えた方々が来てくれるので、新しいコミュニティを作るきっかけにもなると思っています。
 

大吉:もちろんアンケート結果やゲーム内においても影響が良かったからというのもあるんですけど、一番の原動力はお客様が喜んでくれた事実そのものですよね。リアルなイベントで他の人も『エレスト』を楽しんでいるんだと肌で感じてほしいですし、リアルなつながりやコミュニティを持ってさらに楽しんでほしいです。
 
井上:当初は費用対効果の問題もあって、なかなか開催まで漕ぎ着けられなかったんです。しかし一度開催したことでブランディングの効果があることの他に様々な点で見えるものがありました。
 
リアルイベントの運営一つでも、細かい気遣いや配慮、リアルタイムでの判断やコミュニケーションの必要性とその改善が求められますし、そこで得たノウハウはゲーム内の運営でも活きるんです。そういった経験は回数を重ねることでやっと培われますし、今では経営陣含めて全社でしっかり取り組もうと進めています。

 
 
――皆さんから見て『エレスト』にはどのような層が多いですか?
 
井上:私は唯一無二のパズルゲームだと思っていて、そのすべてを愛して頂けている方が多いという印象です。パラメータのひとつひとつに注目してくれて、キャラクターごとの世界観や設定も愛してくれています。リアルでお会いできるユーザーさんからは特に感じます。あとはファンアートを描いてくれる方も数多いです。
 
菊丸:ファンアートはクオリティもすごいですよね。「商品じゃないか?」と思うほどの出来栄えです。それと工作系のアートも多くて、一からすべて造形したフィギュアとか、マシンキャラをレゴで作って頂けたり、本当にいろんな方がいます。
 
井上:ガチャの演出を再現した映像をホログラムで映し出す人もいて、すごい情熱を感じます。
 
大吉:二次創作のアンソロジーも盛り上がっているみたいで、SNS上で見かける機会も増えました。だんだん僕たちのほうが楽しみになってきているくらいです(笑)。
 

 

■これまでの歴史が詰まった結晶を届けたい…周年グッズを手がける想い

 
――今回、周年グッズとしてサウンドトラックとアートブックを作ることになった経緯についても教えてください。
 
井上:アートブックを作りたい思いは以前からあって、ビジプルさん(※SocialGameInfoの運営元)より3周年というタイミングのいいところで声をかけて頂いたのが一点です。今年の2月にリアルイベントも運営して頂いており、ユーザーさんへのご理解も頂けているので一緒に作っていければと思いました。
 
もうひとつはユーザーさんからもサウンドトラックとアートブックの要望は多かったんです。特にイベントに足を運べない遠方の方からの、幅広いグッズを展開してほしいという声が多かったです。そこに対して上手くリーチする方法はないかと以前から考えていました。
 
菊丸:2月に販売したサウンドトラックの第1弾はかなりの反響を頂いて、実際に多くの方に購入して頂きました。一方で「この曲入ってないのか…」といった要望もあり、その要望に応える形で、今回は全62曲を収録することになりました。
 
個人的にサントラは自分自身がかつてから一番作りたいと思っていて、セットリストだけなら1年前から存在したんです。今回のCDは私の願望がそのまま反映されていると言ってもいいです(笑)。

 
 
また、今回のサントラで聞ける音源には、ゲームでは聞けない音まで収録されています。ゲームだと容量の都合で圧縮がかかってしまい、本来の音は出せていないのですが、深いところまで思い切り楽しめるようになっています。
 
曲順にもこだわり、飽きずに聞けるか、盛り上がりが続くかもチェックした作品です。私が全曲100回以上聴いており、これまでの歴史が詰まった結晶と言っていいと思います。
 
井上:サントラで深い音まで聞けたときは私もグッとくるものがあったので、ぜひ聞いてもらいたいですね。ゲームの思い出がフラッシュバックするだけでなく、それ以上の体感ができると思います。おすすめは蜃気楼の塔で流れるDisc1の16曲目「未知の脅威」ですね。

 
 
――皆さんおすすめの曲もあるんですか?
 
菊丸:全部と答えたいところですけど、あえてひとつを選ぶなら究極融合の画面で流れる「軌跡」ですね。この楽曲にはエピソードがあり、実は究極融合という要素を作る前から楽曲だけが完成していたんです。その後に究極融合のテスト画面が出来て、それにサウンドを乗せてみたら「機能が曲に負けてるじゃん」となって(笑)。
 

それでUIを作り直すという、音楽にゲーム仕様が引っ張られるという貴重な体験をしましたね。そして、究極融合はある程度やり込まないと進めない要素なので、ユーザーさんにとっても感慨深い楽曲になるのではないでしょうか。
 
大吉:僕はDisc 3に収録されている「妖精の大樹」ですね。妖精の大樹というダンジョンで流れる曲ですが、とても幻想的なんです。本当は他のコンテンツを遊びたいのに、ずっとそのエリアに残って、ただBGMを聞いているなんてこともありました。サントラが出ることで、ようやく他のエリアも遊べます(笑)。

 
 
――アートブックのほうではいかがですか?
 
井上:Twitterでキャラクターのイラストを載せると、「高画質のイラストありがとう!」とコメントをいただくケースがあり、需要があるのかなと感じていました。そこで大きい画面や紙面上でじっくりイラストを見て頂く機会は欲しいと考えていました。
 
あとはラフも掲載しているので、制作過程も見て楽しんで頂けるかなと期待しています。そのほかにもこれまでのイベントイラストとか、アートブック用の描き下ろしイラストもあります。
 
大吉:アートブックに関してはイラストだけでなく、イラストレーターの方からのコメントも掲載しています。当時どんな思いで描いたのかなど、絵だけでは分からない情報もあるのでこの機会に手に取ってもらいたいです。

 

 
 
――あらためてイラストの数々を見て、思い出はありますか?
 
菊丸:『エレスト』の特徴として、実際のモチーフに忠実なところがあります。分かりやすい例を挙げると、アーサー王は『エレスト』では男性だし、イゾルデやランスロットも同様です。ゲーム内の設定を作る際、実際の物語を強く意識していたのは覚えています。
 
井上:原作通りに設定していくことをゲームの根幹にしていて、ユーザーさんからも好評をいただく要因になっていますね。
 
大吉:キャラクターの設定を行うスタッフが大筋を変えないという強い意志を持っているんです。ゲームには出さないのに、キャラクター同士の相関図まで全部作られているくらいです。毎回必ず相関図や設定からキャラクターは描かれていますね。そういった観点からも今回の描き下ろしイラストをご覧いただくと、また面白いかもしれません。

 

 
――クリエイターにとっても形に残るのは嬉しいことですよね。
 
井上:そうですね。今まではデータ上のものでしたが、紙面として残るのは新鮮ですからね。私自身かつて『ラグナブレイク』でファンブックを出せたときは嬉しくて、自分で買って未だに読んでいます。
 

 

■4周年に向けて…ゲーム内外で楽しい体験の提供を

 
――今後の展開というところでは、なにか考えていることはありますか?
 
井上:リアルでの展開、楽しい体験を提供することは意識してやっていきたいです。3年目になるとマンネリとの戦いになってくると思うので、常に楽しいと感じてもらうためにどうしたらいいか、ゲーム内外問わず考えていかなければいけません。加えて、YouTubeやSNSからもファン層を増やす取り組みをするのが4周年へ向けての目標です。
 
菊丸:ゲーム内だとアリーナなどを改修しています。既存のコンテンツにおいても改善に力を入れていくつもりです。今遊んで頂けているユーザーさんに対して受け入れてもらえる変化をしていきたいですし、これから遊んで頂ける方に対しても入り込みやすい『エレスト』にしていきたいです。
 
大吉:あとは生放送がもうすぐ50回を迎えるので、なにかやりたいと考えていますね。それともうひとつ個人的にやりたいのが、この3年間でやめてしまった人に、もう一度手にとってもらうことです。サービスを始めたばかりのころは不満点も多く頂いていましたが、現在は改善も進んでいます。当時とは違った手触りになっているはずなので、もう一度遊んでもらいたいですね。

 
 

――では最後に、読者に向けてのメッセージもあればお願いできますか。
 
井上:私からは読者の方にはゲーム業界の方もいらっしゃると思うので、そこも踏まえて。成熟期を迎えるアプリゲーム業界ですが、ユーザーさんとの関わりがより深くなる傾向は変わらないと思います。
 
この流れの中で一緒になにかをやったり、盛り上げたりすることができるならば嬉しいですし、いろいろな会社さんと協力したいです。業界全体で盛り上げていきたいですね。
 
ユーザーさんに対しても、今後も一緒に『エレスト』を楽しんでもらいたいので、引き続き密な取り組みはしていきたいです。
 
菊丸:私個人としては、「業界で一番話しかけやすい中の人」であり続けるように心がけたいです。引き続きTwitterや生放送から発信していきますし、様々なイベントにも参加していきます。よりユーザーさんの声を直接聞ける機会を積極的に作れるようにしていきたいですね。
 
大吉:この3周年を通じて、ユーザーさんから暖かい反響を頂き、ゲーム内はもちろんのこと、生放送やリアルでの関わりをより一層良くしていきたいと感じました。
 
次の4周年に向けても様々なイベントを予定しています。今回発表したサントラ&アートブックはこの3年間の集大成と言えるものになっているので、是非手にとって頂き、4周年に向けて今後も楽しみにしていってもらいたいです。

 
 
――ありがとうございました。


 
■商品概要

商品名:3rd Anniversary ELEMENTAL STORY BOX ‐ORIGINAL SOUNDTRACK&ART BOOK‐
予約期間:10月12日(金)~10月22日(月) ※完全予約販売となっております
納品時期:12/28(金) ※順次発送いたします
価格:4,299円 (税込)
送料:650円(税込)
仕様:サントラトラック(3枚組・全62曲収録)、 アートブック( A4判・64ページ)、オリジナルボックス入り
製造・販売元:株式会社ビジプル
 

販売サイト




■『エレメンタルストーリー』
 
 
StudioZ株式会社
http://studioz.co.jp/

会社情報

会社名
StudioZ株式会社
設立
2016年11月
代表者
代表取締役 池幡 賢
決算期
3月
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