カドカワ、第1四半期は営業益49%減の3億9900万円…映像・ゲーム増益もWebサービスが赤字幅拡大、プレミアム会員は200万人に減少

カドカワ<9468>は、本日(8月9日)、第1四半期(2018年4月~6月)の連結決算を発表し、売上高496億3100万円(前年同期比0.6%減)、営業利益3億9900万円(同49.5%減)、経常利益11億1100万円(同73.7%増)、最終利益3億6800万円(前年同期2300万円の赤字)だった。

 


映像・ゲーム事業が増収増益となったものの、「niconico」や「dwango.jp」「animelo」などを提供するWebサービスが4億1100万円の赤字となり、前年同期の7200万円の赤字から赤字幅が拡大したことが主な要因だ。出版事業についても、書籍、雑誌の新刊点数は前年同期と比べて抑え目だったこともあって営業減益となった。

経常利益が大きく伸びたが、これは営業外収益として為替差益が計上されたことや、前年同期に計上した寄付金が今期は計上しなかったことによる。これにより、最終損益も黒字に転換した。


Webサービス事業
売上高67億円(同11.0%減)、セグメント赤字4億1100万円(前年同期は7200万円の赤字)だった。「ニコニコプレミアム会員」は200万人に減少し、また改善対応にかかる費用や新サービスの開発費用が減益要因となったが、期初想定よりもプレミアム会員数の減少幅は小さかった。「dwango.jp」と「animelo」については有料会員数は減少しているが、外注費や広告宣伝費など削減に努め、収益性を維持しているという。


出版事業
売上高265億8000万円(同1.6%減)、セグメント利益10億3700万円(同5.3%減)だった。書籍、雑誌の新刊点数は前年同期と比べて抑え目だったが、電子書籍・電子雑誌がそれを補う形で伸長し、業績は堅調な滑り出しとなった。


映像・ゲーム事業
売上高111億5900万円(同4.0%増)、セグメント利益8億7700万円(同36.5%増)だった。映像では、「STEINS;GATEゼロ」「フルメタル・パニック! Invisible Victory」「ヒナまつり」など海外ライセンス販売が収益に貢献した。ムビチケも好調だった。また、「劇場版 ソードアート・オンライン‐オーディナル・スケール‐」「Re:ゼロから始める異世界生活」の商品化許諾による収益貢献もあった。ゲームでは、第1四半期に販売予定だったパッケージゲームで一部発売延期となったが、「DARK SOULS REMASTERED」「METAL MAX Xeno」などのパッケージゲームや、「Bloodborne」と「DARK SOULS Ⅲ」の海外ロイヤリティ収入が好調だった。


 
■2019年3月期の見通し

続く2019年3月通期は、売上高2310億円(前期比11.7%増)、営業利益80億円(同154.4%増)、経常利益91億円(同144.8%増)、最終利益54億円(同420.1%増)、EPS82.13円を見込む。