【e-Sports】「クラロワリーグ アジア」がいよいよクライマックス! 「ワイルドカードトーナメント」勝利チームに直撃インタビューを実施


Supercellは6月23日に、自社が運営する『クラッシュ・ロワイヤル』のプロリーグ、「クラロワリーグ アジア」において、4月末から始まった今シーズンを締めくくる「プレイオフ」に向けて、参加チームを決定するための「ワイルドカードトーナメント」を開催した。

「クラロワリーグ アジア」には、日本、韓国、東南アジア、それぞれの地域から4チームの計12チームが参加している。「ワイルドカードトーナメント」では、各地域のリーグ通算成績1位となる3チームを除いた上位4チームが参加し、後日行われる「プレイオフ」の最後の1枠を賭けた戦いが繰り広げられた。


▲「ワイルドカードトーナメント」開催時のリーグ順位表(公式サイト参照)。日本1位のGameWith、韓国1位のKING-ZONE DragonX、東南アジア1位のahq eSports clubは、この時点でプレイオフ参戦が決定している。これを除いた上位4チームが「ワイルドカードトーナメント」に参加した。

当日、1回戦のマッチアップは、PONOS Sports対FAV gamingとSANDBOX対OGN ENTUSとなり、日本チームと韓国チームに分かれた形での対戦となった。それぞれ、PONOS SportsとSANDBOXが勝ち上がり決勝戦が行われた。

決勝戦は押しつ押されつの接戦となり、3セットの3ゲーム目までフルで行なわれた。3セット目では、Beaver選手が1ゲーム先取し、SANDBOXが優勝に王手をかけるも、PONOS Sportsのみかん坊や選手が猛追。見事2連勝を飾って「プレイオフ」出場権を勝ち取った。





これにより、「プレイオフ」に出場する4チームが決定した。「プレイオフ」はステップラダー形式が用いられ、リーグ成績が上位のチームは有利なスタートとなる。

「ワイルドカードトーナメント」の試合終了後、「ワイルドカードトーナメント」で優勝したPONOS Sportsと、リーグ成績1位のGameWithのメンバーにインタビューを行った。まずは、GameWithのメンバー5名及び監督へのインタビューの内容を紹介する。

●GameWith

▲写真左からZEROS選手、shun選手、アマテラス選手、監督の大庭仙充氏、KK19212選手、ユイヒイロ選手の順。インタビューには、チームリーダーとして、アマテラス選手がメインとなって回答してくれた。

──:ファーストシーズンを振り返ってみていかがでしたか?

アマテラス:シーズン開始当初は緊張していましたが、リーグが進むに連れて慣れていきました。

──:「ワイルドカードトーナメント」の試合を見ていて、それぞれのチームの印象はどうでしたか?

アマテラス:どのチームもすごく仕上がっていて、本当にどこが勝ち上がってきてもおかしくない試合展開だったと思います。こちらも、どのチームが勝ち上がってきてもいいように、全てのチームに対して研究は進めてあります。

──:GameWithさんは、「プレイオフ」も一番最後の決勝戦だけの出場ですから、かなり期間が空きますが、待つ辛さはあったりますか?

アマテラス:いいえ。その期間で今まで使っていなかったデッキについても研究を進めて実用化することで、公式戦で見せてこなかったデッキを温めておけるのでアドバンテージになると考えています。

──:全員にお伺いしたいのですが、実際にプロとして2ヶ月間戦ってみて、周囲に変化があったり、何か感じたことなどはありますか?

ZEROS:自分は途中参戦だったので1回しか出場していませんし、その1回も負けてしまいましたが、プロとして『クラロワ』は趣味ではなく、選手として向き合っているので、これからも一戦一戦を大事にしていきたいです。『クラロワ』をプレイしている時間は全て無駄にしないようにしようという意識が強くなりました。

shun:去年の日本一決定戦や世界一決定戦は年齢制限があって出場できず、Youtubeで見ながら「自分もこの舞台に立ちたい」という気持ちを強く持っていました。その時に見ていた有名なプレイヤーの皆さんと会ってお話したり、バトルをしたりと嬉しい経験をたくさんできましたし、これからも戦えると考えると楽しみな一面もあるので、より楽しむためにも勝っていきたいと思います。

──:shun選手は一部では"王子"という呼ばれ方をしてますが、ご本人的にはいかがですか?

shun:そうやってあだ名的なものがあるのは嬉しい反面、恥ずかしい気持ちもあります(笑)。

──:アマテラス選手はいかがですか?

アマテラス:去年は一個人として『クラロワ』をプレイしていましたが、プロになって1試合に対する責任感は強くなってきました。

──:世界一決定戦に出られた頃は、ご両親と(プロゲーマーを続けることについて)トラブルもあったようですが、そちらは解決しましたか?

アマテラス:留年しなければ大丈夫という結論に。

──:学業と両立すれば問題ないと。今のところ両立できていますか?

アマテラス:……おそらく(笑)。

──:KK19212選手はいかがですか?

KK19212:プロになる以前は遊びでやっていましたけど、今は次の試合に勝つため、全ての試合に対して、何か経験を得ていこうと意識しながら集中して臨むようになりました。

ユイヒイロ:自分も大学と両立していて、時間が限られているので、ひとつひとつの試合で立ち回りを考えたりするようになりました。

──:これから「セミプレイオフ」、「プレイオフ」、そして決勝戦となりますが、これまでのリーグとは違う短期決戦ということで、作戦の変化や新たな心構えはありますか?

アマテラス:1試合で全部が決まってしまうので、ベストな状態で臨むだけです。

──:まだ先の話になりますが、セカンドシーズンに向けて考えていることはありますか?

アマテラス:来シーズンも1位を取れるように頑張るためにも、今シーズンにおける反省点を活かしていきたいと思います。

──:監督にも是非お聞きしたいのですが、今シーズンを通して選手たちのどういったところに成長を感じたり、課題があるとお考えですか?

大庭:プレイ面に関しては各々成長していますし、僕から強く言うようなことは無いですね。ただ、プロとしてであったり、人としてという部分ではまだまだ若いメンバーなので、そこに関してはアドバイスや注意をしています。それも大分身に付いたようで、顔付きも変わってきましたし、そこに関してはプロになってくれて良かったなとひしひし感じています。

──:選手たちから見て大庭監督のイメージはいかがですか?

大庭:正直にね。

一同:(笑)。

ZEROS:監督は僕たちを信じて任せてくれるので、自分たちでしっかり練習して期待通りの結果を出せるように意識してます。厳しいというよりは優しい監督です。




続けて、「ワイルドカードトーナメント」優勝をつかみ取ったばかりのPONOS Sportsの面々へのインタビューの様子を紹介する。

●PONOS Sports

▲写真左から天GOD選手、みかん坊や選手、フチ選手、ライキジョーンズ選手

──:以前、チームコンセプトとして「楽しくやろう」と仰っていましたが、今日の試合中も笑顔が絶えなかったのは、その点を意識しているからですか?

みかん坊や:そうですね。2on2のときも、楽しくやることでいつも以上に連携が取れたりするんです。特に、今日のライキ選手はシングルでやっているときも、2on2やってるんじゃないかというぐらい喋っていました。いつも以上に良いプレイができてましたし、やはり、楽しくやることで上手くいくんだと思います。

──:あの喋りは思わず出てしまうものなんですか?

ライキジョーンズ:やっぱり結構緊張してたんです。今日の試合は、負けたら終わりということもありますし、FAV gaming​さんは2on2が強いので、自分が落としたあとの2on2で必ず勝てると言えないというプレッシャーも大きかったです。なので、自分から声を出して緊張をほぐすようにしていました。

──:1回戦のFAV gaming戦はストレートでの勝利でしたが、戦術がうまくはまりましたか?

みかん坊や:事前に対策をして、それがうまくいったという感じでしたね。僕と天GOD選手は、1週間かけて色々なデッキを試してきていて、本番ではふたつのデッキで決めるつもりだったので、それしかセットしてなかったんです。

──:改めて「ワイルドカードトーナメント」を勝ち上がった感想はいかがですか?

みかん坊や:まだまだGameWithさんには遠く、道のりは長いですが、次の対戦相手の対策をしながら練習を重ねて、優勝まで頑張りたいと思います。

──:決勝では2on2でフチ選手と天GOD選手が組んでいましたが、これまでにない組み合わせですよね?

天GOD:これまで、試合ではライキ選手とみかん選手が2on2に出ることが多くて、その練習相手として僕らもやっていたので、元々連携は取れていたんです。番狂わせという意味で今回は出てみました。

──:公式戦でいきなり出るとなると緊張はありませんでしたか?

フチ:これまで1対1でたくさん試合にでてきましたから、2on2であっても緊張はありませんでした。

天GOD:僕は、FAV gaming​戦は2on2で出場したので、そのままの感覚でいきました。


──:今日の試合は、結果が直接「プレイオフ」へとつながる大きな試合ですが、いつもと心境は違いましたか?

みかん坊や:僕自身は目の前の一試合にしか集中しないタイプだったりするので、いつも通りのプレイをしていけばいいと思いました。

──:プレイオフに向けて何か作戦は考えてますか?

みかん坊や:今のところ作戦はまだ立てていません。今後の練習の中でいい作戦が思いつけば取り入れていこうと思っています。



最後に、「クラロワリーグ アジア」を統括する殿村博氏からもコメントをいただけた。


▲Supercellでeスポーツアジア担当を務める殿村博氏。

──:「ワイルドカードトーナメント」を見ていて盛り上がりはいかがですか?

殿村:レギュラーシーズンは、僕も全ての会場に参加させていただきましたけど、選手の方々がかなり真剣に試合に取り組まれているのが伝わってきました。ただ、今日はそれにも増して集中力が上がっていて、会場全体の緊張感が違うなと感じました。やはり、負けたらシーズン終了であるということで緊迫感がありましたし、皆さんがピリピリしているなかでPONOS Sports​さんが勝ち抜いたのは素晴らしいことだと思いました。

──:「プレイオフ」はステップラダー方式を採用され、レギュラーシーズンの順位にバリューを置いているように感じましたが、これはなぜですか?

殿村:接戦になった場合、ならなかった場合、あらゆる状況を想定したうえでステップラダーにさせていただきました。やはり、レギュラーシーズン中に1位になることの重要さにも重点を置きたいと考えました。

──:初めてのプロリーグが稼働してから、これで一区切りとなりますが、ここまで実際にやられてみていかがですか?

殿村:選手の方はもちろんですが、我々もホームアウェイでやっていくのは難しいことだと感じました。僕は日本を1年間担当してきたので、流れが分かっている部分もありましたが、やはり3つの地域に満遍なく展開していくのは難しかったです。東南アジアは様々な国が集まっているという点も考慮しなくてはいけませんし、台湾の選手を韓国に送るといったように、アジア全体でみないといけない場面は多く、全てを満遍なく見れたか改めて考えてみると、至らない点もあったかなと思います。

──:日本のファンの盛り上がりはいかがですか?

殿村:リーグ立ち上げ当初はバタついてしまい、プロモーション不足のままスタートすることになってしまいましたが、そこはコミュニティの方々に支えていただいたと感じています。今は『クラロワ』がeスポーツとして、エンターテインメントのひとつになっているかというと、まだコミュニティの枠を越えられてはいないと思っています。今後の「プレイオフ」やシーズン2を通して、コミュニティをを越えて広めていきたいです。

──:日本以外の地域での盛り上がりはいかがですか?

殿村:中国はすでにシーズンを終えていますが、かなりの高評価を受けたみたいです。アジアリーグも東南アジア向けに英語の放送をしていますが、そちらはかなり盛り上がっています。

──:リーグを立ち上げるにあたって何かしら目標があったと思いますが、それは達成できましたか?

殿村:目標は高く設定しているので、まだまだだと思っています。やはり、『クラロワ』を知らない人にも楽しんでもらえるようなコンテンツを作りたいと思っていますが、そこにはまだ至っていないので、自分の中ではまだまだだと感じています。

──:今後の見どころは?

殿村:「プレイオフ」では負けたら終わりなので、選手の真剣度が違います。また、試合をこなすに連れて、選手たちが成長していく姿も見てほしいです。彼らが成長していく様子を記録しているので、そういったものも今後は公式で見せていきたいと思っています。それぞれのの個性も出てきてるので、そういったところも合わせて見ていただけると嬉しいかなと思います。

今回伺ったお話から、殿村氏は「まだまだ」とのコメントもあったが、「ワイルドカードトーナメント」は視聴者数も多く、これまでにも増して盛り上がっていた。そして、ここからさらにシーズンの勝利者を決める戦いは激化していく。「クラロワリーグ アジア」の初代王者の栄光をつかむのは一体どのチームなのか。今後の展開からも目が離せない。
 
(取材・文 ライター:宮居春馬


 
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