【発表会】『クラッシュ・ロワイヤル』公式eスポーツリーグ「クラロワリーグ」を3月より発足…Supercellが「プロ選手」制度について説明会を実施

 
Supercellは、リアルタイム対戦型モバイルカードゲーム『クラッシュ・ロワイヤル(以下、クラロワ)』の、公式eスポーツリーグ「クラロワリーグ」を、2018年3月に発足することを発表した。これに伴い、同社は3月6日、都内某所にて「クラロワリーグ」発足および「プロ選手」制度に関する説明会を実施。本稿では、説明会にて明かされた内容をレポートしていく。
 
本説明会では、全世界で立ち上げる「クラロワリーグ」の概要、日本が所属するリーグの概要、「プロ選手」制度、「プロ選手」予選概要について、Supercellのeスポーツ アジア担当である殿村博氏より話が展開された。
 

▲Supercellのeスポーツ アジア担当である殿村博氏。
 
Supercellは、フィンランドのヘルシンキで設立されたモバイルゲーム開発会社である。サンフランシスコ、東京、ソウル、上海にオフィスを構えており、世界で約240名が所属している。「多くの人々が長年にわたりプレイし、記憶に残るゲームを作る」という理念で、現在は『クラロワ』のほか、『クラッシュ・オブ・クラン』、『ブーム・ビーチ』、『ヘイ・デイ』といった人気タイトルを世界に向けて配信している。
 
殿村氏は「(4タイトルというのは)少ないと思われるかもしれませんが、ゲームを作る段階からグローバルでTOP10に入ることを目指してリリースしています」とコメント。
 

 
▲まずは『クラロワ』のゲーム概要を紹介。
 
また、世界のゲーム市場に特化した市場調査びコンサルティング会社「NewZoo(ニューズー)」の資料では2020年にはeスポーツプレイヤーと観客人口が2.86億人規模に成長すると予測されており、米国や韓国では既にeスポーツが普及していることからゲームをプレイすることで生計を立てているプロゲーマーも存在するとのこと。
 

 
▲元々はPCゲームが主流だったeスポーツだが、近年はモバイルゲームの大会も多数開催されるなどの変化が見られる。写真は2017年にロンドンで開催された「クラロワ 世界一決定戦」の様子。
 
Supercellの取り組みとしては、上記写真にもある賞金総額1億円の大会「クラロワ 世界一決定戦」の開催などが挙げられる。本イベントは、全世界187ヵ国から2700万人のプレイヤーが参加したほか、9言語で合計13プラットフォームで生配信が行われるなど、世界中で大きな盛り上がりを見せた。
 

 
さて、ここからはいよいよ「クラロワリーグ」の概要を紹介。


 
殿村氏は、「クラロワ 世界一決定戦」での想像以上の反響を受け、2018年はその盛り上がりをさらにもう一段上げていくための取り組みとして「クラロワリーグ」の発足に至ったと経緯を話した。
 
「クラロワリーグ」はグローバルに展開され、プレイヤーベースによって各地域に分けてリーグを実施していく。日本は、韓国や中国を除くアジア諸国が参加するアジアリーグに所属することが明かされた。アジアリーグから中国が除かれている理由については、中国ではeスポーツ市場が独特の進化を遂げているため、平静を保つ狙いから独自にリーグを立ち上げる予定であることが殿村氏より説明された。なお、プレイオフを勝ち抜いたチームが出場できる「世界一決定戦」は、アジアで行われることが決まっているという。
 
【クラロワリーグ in アジア】
・日本、韓国、その他アジア諸国(中国を除く)
・計12チーム
・日本からは4チームが参加
・各チームには4~6名の選手が所属
・2シーズン制
・総当たり戦、トップチームはプレイオフへ
・クラロワリーグが各チームを助成金でサポート
・トップチームは「世界一決定戦」へ

続いて、プロ選手になるための条件が発表された。
 
殿村氏によると、年齢は満16歳以上であれば誰でも資格は得られるが、3月14日よりゲーム内にて開催される特別イベント「クラロワリーグ20勝チャレンジ」(3敗する前に20勝を達成する)に勝利することが最低条件になるという。そこから「オンライン大会」や「プロ選手選考会」にて参加チームへのアピールを行い、交渉を経て契約を得ることでプロ選手となれるとのことだ。その他、例外としてこれまでの大会で実績を持つプレイヤーは「クラロワリーグ20勝チャレンジ」の成否に関わらず、特別選手として契約することが可能。特別選手枠は、各チームに2名まで設けられている。
 
【プロ選手】
・満16歳以上であれば、誰でも参加可能
・「クラロワリーグ20勝チャレンジ」で勝利することが条件
・任意参加の「オンライン大会」や「プロ選手選考会」でのアピール可能
・各チーム2名まで「特別選手」の獲得が可能
・各チーム2名まで「インターナショナル選手」の獲得が可能

今後の流れとしては、約1ヶ月をかけて各チームにプロ選手として所属するプレイヤーを選定した後、4月下旬より1stシーズンをスタートするとのこと。
 
【スケジュール】
3月14~18日:「クラロワリーグ20勝チャレンジ」
3月下旬~4月上旬:任意参加の「オンライン大会」「プロ選手選考会」
4月中旬:プロ選手 所属チーム決定
4月下旬:1stシーズン開幕

その後、リーグに参加する4チーム(GameWith、Gzブレイン、DetonatioN Gaming、PONOS sports)のオーナーより意気込みが語られた
 

▲写真右から、GameWithの重藤優太氏、Gzブレインの目黒輔氏、DetonatioN Gamingの梅崎伸幸氏、PONOS sportsの板垣護氏。
 
◆GameWith/重藤優太氏
「この度は、リーグ制の公式大会という新しい取り組みに参戦できることを非常に嬉しく思っています。私たちのチームから選手に求めるのは、ゲームに紳士に向き合うことはもちろん、リーグのほかSNSや動画などでいろいろな方に見られる機会も多いので、プロゲーマーとしての品格を上げられるような振る舞いをしっかりと求めていきたいと思っています。チーム全体としては、『クラロワ』を知っているユーザー以外の方々にも見ていただきたいと思っておりますので、弊社のメディアやYouTubeを使ってどんどん発信していきたいと考えております」
 
◆Gzブレイン/目黒輔氏
「我々スマホゲームメディアというところで『クラロワ』に関して言いますと、リリースされてから攻略や動画でずっと追いかけさせていただいて、全国オフ会や日本一決定戦などにも密着させていただきました。僕自身もプレイヤーとして2年間過ごしてまいりましたので、今回『クラロワ』がリーグ戦を行うと聞いたときに是非、僕たちもこの盛り上がりに参加させていただきたいというところで参戦を表明いたしました。チームに関しては、ファミ通には、どんなゲーム対決でも負けてはいけないという鉄の掟があるのですが、最近は各メディアさんともプロゲーマーか、それに近しい技術を持った方を出場させておられることもあり、ちょっと守れていない部分もあるように思います(苦笑)。今回のリーグに参加することで常勝を掲げられるような、グローバルでも活躍できるチームを作っていきたいと考えております。今日はSuperCell靴下をおろしてくるぐらい気合が入っておりますので、よろしくお願いします(笑)」
 
◆DetonatioN Gaming/梅崎伸幸氏
「DetonatioN Gamingは設立7年目のプロeスポーツチームとなっています。今回、『クラロワ』のリーグに参戦することでチームとしては12タイトル目の挑戦となります。DetonatioN Gamingは世界で勝つことを目標・コンセプトにしたチームになっておりますので、日本で優勝することはもちろんのこと、世界の強豪たちをなぎ倒して世界で勝てる様を皆さんに見せたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします」
 
◆PONOS sports/板垣護氏
「我々は、SuperCellさんと同じくスマホゲームを作っている会社になります。なので、同業にはなりますが、プロゲーマーチームを持っているので今回このリーグに参加させていただけることになりました。日本ではまだまだゲームを遊ぶことが良くないこと、「いつまでゲームをやってるの?」と言われてしまうような(負の認識が持たれた)世の中でもあるとは思いますが、今回のリーグを通して、ゲームが上手いことが”意味のあることである”、”凄いことである”、”プロになれる”というところに繋がるように、我々も一緒に頑張っていけたらと思います」
 

最後に、未決定の部分を含め、殿村氏への質疑応答にて判明したことをお伝えしていく。
 
――:アジアリーグからは何チームが「世界一決定戦」に出場できますか。
 
殿村氏:リーグから複数出場できるのではないかと言われていますが、まだ決定ではございません。
 
――:選手の獲得は各チームが独自に行うのでしょうか?
 
殿村氏:はい、各チーム良い選手を見つけたら交渉を始めていただくという流れです。チームもプレイヤーも同時に複数の相手と交渉することができますので、お互いに1番納得できるところと契約することができます。
 
――:日本eスポーツ連合(JeSU)への参加は考えていますか。
 
殿村氏:今のところは考えておりません。まずはSuperCellとしてグローバルに展開していくことに重きを置いております。
 
――:昨年行われた「クラロワ 世界一決定戦」のように個人単位で参加できる大会は別で予定されているのでしょうか?
 
殿村氏:現在のところチーム制の世界一決定戦のみで進めようと考えております。
 
――:大会で賞金が出ることに法的な問題はないのでしょうか?
 
殿村氏:法律には抵触しないように賞金という形でのお支払いはいたしません。(本リーグでは)各チームと契約することで助成金を一律用意させていただいております。加えて、成績に応じてこちらからボーナスを支払うという形で進めています。
 
――:アジア以外で参加が決まっている国はありますか? また、アジアリーグでは日本以外からは何チームが参加するのでしょうか。
 
殿村氏:北米とヨーロッパでリーグを立ち上げる予定はありますが、詳細についてはまだ発表できません。アジアリーグは、日本から4チーム、韓国から4チーム、東南アジアから4チームの計12チームでリーグ戦を行っていきます。
 
 
 
(文・取材 編集部:山岡広樹)
 

 
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