【速報3】AbemaTVは今期も投資継続 PumpUPキーワードに投資と売上の拡大局面 草彅剛さん、稲垣吾郎さん、香取慎吾さん出演の72時間テレビに期待



サイバーエージェント<4751>の藤田晋社長(写真)は、この日(10月26日)、東京都内で開催した決算説明会で、積極投資中のAbemaTVについて、「何とかなりそうだという手応えを持った」と述べた。2016年4月の開局からコンテンツを中心に投資を行ってきたが、事業の柱に成長するイメージが徐々に見えてきたようだ。先行投資を行ってきたが、徐々に投資だけでなく、広告商品の拡販などを通じて売上も徐々に増やしていく考えだ。

「AbemaTV」では、話題性のある番組企画や、動員力のあるタレントを起用した番組などを配信し、アクティブユーザー数で意識的に「ヤマ」を作ってきたという。亀田興毅さんや、将棋の藤井聡太さんの番組などがそれにあたるが、番組終了後、利用を開始した人の一定割合が視聴し続けることでアクティブユーザー数のベースが上がっていく。

実際、同社の開示した指標を見ると、MAU(月次アクティブユーザー数)はすでに1000万人弱で推移しており、WAU(週次アクティブユーザー数)についても500万人規模まで拡大した。藤田社長は、「WAU1000万人がマスメディアといえる目安。我々の考える事業が展開できる水準だ」とし、引き続きアクセルを踏む考え。
 


今期は、引き続き200億円の赤字となる見込み。ただ収益化を無理に行わず、先行投資に注力していた前期とは状況が大きく異なっている。「PumpUp」をキーワードとして、投資するだけでなく、投資によって売上も増やしていく考えだ。したがって、売上次第となるが、投資規模だけを見ると、前期よりも大きくなる可能性がある。
 


KPIのベースを引き上げる「ヤマ」をつくる番組として、草彅剛さん、稲垣吾郎さん、香取慎吾さん出演の「72時間ホンネテレビ」に期待を示した。「いまも大変な話題だ。(アクティブユーザー数が)過去最高を更新するのは間違いないと思う」。
 


また、女性比率を50%に引き上げるため、リアリティショーや、ドラマの自社制作にも着手。ドラマについては「キャスティングありきではなく、あくまで脚本ありきで、役柄にあった俳優をオーディションで決めている。最近のドラマとはひと味違ったものになるのでは」とした。第2弾、第3弾も制作する方針。「Netflixの躍進からわかるように、ドラマはキラーコンテンツとして重要だと思ったが、コストがかかるうえ、簡単に当たるものではないため、準備を進めていたが、機は熟した」。
 



なお、収益化については、広告商品の拡販に力を入れていく。広告代理店だけでなく、サイバーエージェント自身も販売していく。「CMの視聴完了(スキップせずにCMをすべて見る)率が80%と非常に高く、テレビと同時視聴している人も30%に過ぎない。テレビの見ていない層にアプローチできるメディアとして重宝されるのではないか」とした。
 


 
(編集部 木村英彦)
株式会社サイバーエージェント
http://www.cyberagent.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社サイバーエージェント
設立
1998年3月
代表者
代表取締役 藤田 晋
決算期
9月
直近業績
売上高7202億0700万円、営業利益245億5700万円、経常利益249億1500万円、最終利益53億3200万円(2023年9月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
4751
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