クエリーアイ、ディープラーニングによるApp Store市場予測で誤差7%を達成…口コミとランキング変動の関係を機械学習

クエリーアイと名古屋大学大学院情報科学研究科の安田孝美教授、遠藤守准教授の研究グループは、スマートフォン・アプリストア App Storeで販売されているアプリの1時間後のランキングを予測する人工知能に関する共同研究で、絶対平均誤差率(MAPE)7.07%を達成したと発表した。共同研究成果は、モバイル学会・モバイル’16で、名古屋大学大学院情報科学研究科博士前期課程 小池優希氏が発表する。

この研究では、App Storeのランキングの変動データとTwitterのつぶやきやWEBページの更新情報を関連付けて分析し、機械学習させることでApp Storeの1時間後のランキング変動を予測するという研究だそうだ。2014年12月の情報処理学会での発表は70%の正答率だったが、その後、さらに研究を進めたとのこと。クエリーアイでは、この研究成果を含めた人工知能サービスなどをビジネス展開すべく事業開発に取り組む、としている。詳細は以下のとおり。


<以下、プレスリリースより>

共同研究グループはApp Storeのランキングに掲載された1年間の全アプリの各種データから抽出された時系列ランキングと該当アプリのTwitterやブログなどからのApp StoreへのURLの時系列増減をリカレントニューラルネットワーク(RNN)に機械学習(BPTT-LSTM方式)させ、1時間後のアプリのランキングを予測させるシステムを構築し、IBM SoftLayer ベア・メタルGPUサーバー(NVIDIA Tesla K80)上で稼働させました。

AppStoreランキングをはじめとする各種市場データはクエリーアイのマーケティング・クローラーシスムテムが1日あたり、Twitter Stream 1300万tweet、Webページ6100万ページを収集、内容解析、蓄積したデータを活用しています。

共同研究グループはディープラーニングによるアプリストア市場予測で70%の正答率を達成したことを2014年12月8日に情報処理学会で発表しています。この既出発表では時間の概念を研究グループが擬似的に定義したRestricted Boltzmann Machine(RBM)によって構成されていました。この構成で時系列変動を取り扱うよりも、時系列処理を前提としたリカレントニューラルネットワークを適用した方が各種の可能性が広がることが期待されたため、更なる研究開発を進めました。

アプリのランキング時系列変動と、その変動の要因と考えられるインターネット上のクチコミであるTwitterやブログでのアプリ情報の時系列拡散状態を、ディープラーニングの時系列機械学習の最先端領域であるリカレントニューラルネットワークに適応し、時系列市場予測システムとして実現可能性を探るための研究開発を実施し、高精度に予測可能であることを示すことができました。

Twitterなどソーシャルメディアでの商品情報拡散はバイラル・マーケティング施作の重要事項であり、これによって商品の売れ行きが左右されることはマーケティングの重要事項です。この分野でディープラーニング及びリカレントニューラルネットワークが応用できる可能性を示すことができました。

今回はモバイル・アプリ市場の時系列動向を研究対象としました。しかし、それ以外の様々な商品やサービスの売れ行き動向の時系列変動にも応用ができる基本的な考え方として捉えることもできると研究グループでは考えています。応用可能な基本的な構成やパラメータチューニング、入出力や学習データの構築方法、実用稼働させるためのハードウェア要件等、さまざまなノウハウを得ることができました。

今後、クエリーアイでは、本研究成果を含めた人工知能サービスなどをビジネス展開すべく事業開発に取り組んで参ります。
クエリーアイ株式会社
http://queryeye.com/jp/

会社情報

会社名
クエリーアイ株式会社
設立
2010年2月
代表者
水野政司
上場区分
非上場
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