コーエーテクモHD、3Q経常益は経営統合後の最高業績に…けん引役は増収増益のオンライン・モバイル事業 メディア・ライツ事業は費用先行で赤字に

コーエーテクモホールディングス<3635>は、1月29日、2016年3月期の第3四半期累計(4~12月)の連結業績を発表、売上高225億4200万円(前年同期比6.4%減)、営業利益39億3700万円(同19.0%減)、経常利益95億1700万円(同3.9%増)、四半期純利益68億3000万円(同4.6%増)となった。第2四半期までの進捗と比べ、経常利益と四半期純利益が前年同期比プラスに転じ、経営統合後の最高業績となっている。
 

主なセグメントの状況は以下の通り。

①ゲームソフト事業…売上高131億7700万円(前年同期比10.8%減)、セグメント利益26億1800万円(同26.6%減)
国内では、『ソフィーのアトリエ ~不思議な本の錬金術士~』(PS4、PS3、PSVita用)が好調な販売となった。また、『信長の野望・天翔記 with パワーアップキット HD Version』(PSVita、Win用)とともに、アジア向け『討鬼伝 極』(Win用)を発売した。

また、同社グループが開発を担当したスクウェア・エニックスの『DISSIDIA FINAL FANTASY』(アーケード用)が全国のゲームセンターで稼働を開始したほか、欧米において『ドラゴンクエストヒーローズ 闇竜と世界樹の城』(PS4、Win用)がリリースされた。さらに、国内で先行して発売された任天堂<7974>との共同開発タイトル『零 ~濡鴉ノ巫女~』(Wii U用)も欧米にて発売となった。

ダウンロード販売は、欧米でのホリデーシーズン向けの施策が奏功し、Steamを通じた売上が伸長した。『DEAD OR ALIVE 5 Last Round』(PS4、PS3、Xbox One用)の基本無料版の累計ダウンロード数が全世界で500万を突破し、コンテンツ販売も堅調に推移した。

②オンライン・モバイル事業…売上高53億400万円(同8.2%増)、セグメント利益9億7400万円(同9.2%増)
ソーシャルゲーム事業は、国内では『AKB48の野望』をMobageへ、『のぶニャがの野望』をコロプラへ新たに提供するなど、マルチプラットフォーム展開を進めた。また、有力IPとのコラボ展開やラジオ番組と連携したキャンペーンが好評となり、主力の『100万人』シリーズや『AKB48の野望』が伸長した。

海外では、『ぐるぐるダンジョン のぶニャが』の台湾におけるサービス展開を決定したほか、『大航海時代Ⅴ』が引き続き好調を維持した。コミュニティサイト「my GAMECITY」では、サードパーティーのゲームラインナップを拡充した。

オンラインゲーム事業は、『真・三國無双 Online Z』(PSVita用)をサービス開始するなどの施策を行い、各タイトルとも底堅く推移した。

③メディア・ライツ事業…売上高17億8000万円(同2.8%減)、セグメント損益4800万円の赤字(前年同期1億6300万円の黒字)
ネオロマンス20周年記念作品『アンジェリーク ルトゥール』(PSVita、PSP用)を発売したほか、「ネオロマンス・ハロウィンパーティー 2015」「ネオロマンス 20th アニバーサリー・フィナーレ」など各種イベントを開催した。なお、第4四半期以降に発売を予定しているタイトルの開発費が先行して発生したことからセグメント損失が生じた。

④SP事業…売上高12億1400万円(同17.3%減)、セグメント利益4億6800万円(同3.3%減)
パチスロ機「スーパーブラックジャック2」がリリースされた。パチンコ・パチスロ機への液晶ソフト受託開発が順調に進捗し、収益へ貢献した。

⑤アミューズメント施設運営事業…売上高9億5800万円(同20.5%減)、セグメント利益5600万円(同7倍)
不採算店舗の整理を進めて減収となったが、体験型キッズ施設へのリニューアルや新たな集客施策が年末にかけて奏功したほか、運営コストの見直しも寄与し、増益となった。

⑥不動産事業…売上高6億2800万円(同41.4%増)、セグメント利益2億4500万円(同2.3倍)
当社グループが保有する賃貸用不動産が堅調に稼働した結果、増収増益となった。

■2016年3月期の見通しは変更なし
なお、2016年3月期通期の予想は、従来予想から変更なく、売上高400億円(前期比5.8%増)、営業利益100億円(同3.6%増)、経常利益140億円(同3.2%増)、当期純利益95億円(同0.7%増)を見込む。
 


 
コーエーテクモホールディングス株式会社
http://www.koeitecmo.co.jp/

会社情報

会社名
コーエーテクモホールディングス株式会社
設立
2009年4月
代表者
代表取締役会長 襟川 恵子/代表取締役社長 襟川 陽一
決算期
3月
直近業績
売上高784億1700万円、・営業利益391億3300万円、経常利益398億9900万円、最終利益309億3500万円(2023年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3635
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