【インタビュー】エイチームが8月に東京進出! スタートアップメンバーに求めているものを、事業本部長に直撃


名古屋に本社を構えるエイチームが、8月末に東京スタジオを開設する。

大阪スタジオに続く、2つ目の拠点。来期中には東京スタジオだけで60〜80名の採用を予定しているように、サテライトオフィスに留まらない規模への拡大が予想される。東京進出の目的はどこにあるのか、そしてスタートアップメンバーに求めているものとは? エンターテインメント事業の本部長を務める、中内氏の胸中はいかに──。
   

■1つの道を究めている人が、輝ける職場


──:東京進出を決めた時期はいつ頃ですか?

 
話が出はじめたのは、今年に入ってからです。エイチームは中期経営計画を設定しているのですが、振り返りを行ったときに、さらなる発展のために人材採用をより強化させる必要があると感じました。そこから拠点を立ち上げようという流れになり、「そろそろ東京でしょ」という声がチラホラと上がるようになって、この夏に開設させることが決まりました。
 

──:展開が早いですね。

決定後、次の週にはオフィスの候補先を探していましたからね。


──:それくらい人材を欲していると。
 
事業の成長に対して、とにかく人手が足りていないんですよ。長くユーザーに遊んでもらっているコンテンツが多いので運営にもリソースが必要ですし、新規のラインも走らせたい。そうなると、採用の裾野は自ずと広がっていきます。
 


──:オフィスを選定する際のポイントは?

名古屋本社と行き来しやすい品川駅であることが第一でした。すると、「品川イーストワンタワー」というちょうどいい物件が空いていまして、駅直結で改札から歩いて3分くらい。階段を降りる必要もないので、名古屋からフラッと足を運べるくらいの感覚です。本社から2駅ですし。


──:確かにのぞみだと2駅ですね(笑)。オフィスの規模はどれくらいですか?

100名以上の席を置けるだけの広さはありますが、スタート時は本社から異動する数名を筆頭に、60名ほどでスタートさせようと考えています。エイチームはプロジェクト制を取り入れているので、東京でチームをつくって新しいラインを発足させる予定です。


──:東京での採用において、何かコンセプトはありますか?

若い力も必要ですが、それと同じくらい、ベテランの方の知恵も求めています。たとえば、ずっとコンシューマーゲームをつくっていた方の経験なんかもどんどん取り込んでいきたいですね。名古屋本社でも、メンバーの1割くらいがコンシューマー出身なんですよ。エイチームはフューチャーフォン時代からネイティブゲームをつくっているので、考え方やアプローチが近い分、融合しやすいんでしょうね。
 


──:プランナーやディレクターであっても同じですか?

そういった職種も、ベテランの方は大歓迎です。コンシューマー出身の方って、手数が豊富ですからね。エイチームで働く魅力は、ステップアップしやすいこと。コンシューマーゲーム業界ですと人材の層が厚い一方で、1プロジェクトの規模が大きくプロジェクト数が少ないため、ディレクター職やリーダーポジションが限られてしまいます。

一つひとつの開発スパンが長いと場数が踏みにくく、どうしても上が詰まってしまうので上に行きたくても行けない葛藤があります。その点、エイチームだとプロジェクトの数も多いし、開発スパンもコンシューマーほど長くありません。だから「いつか自分でメインを張りたい」という方にとってはいい環境だと思います。



──:ゲーム業界以外から転職できるチャンスは?

サーバーサイドエンジニアだと問題ないでしょうね。オンライン性を重視したゲームをつくっているので、ネットワークやトラフィックに関わっていた方なら、そのスキルを活かせます。


──:本人の思わぬところでスキルが活きる可能性が高いわけですね。

ニッチな専門家でもいいんです。たとえば、あるエンジニアは描画のスキルが高かったものの、中々発揮できる場が少なかったのですが、ゲームが進化するに連れて描画まわりがリッチ化し、描画のタスクを少しずつ任せていったんです。すると活躍の場はみるみる広がり、今では欠かせないメンバーの1人ですよ。
 

▲エイチームのヒット作『ユニゾンリーグ』


──:個々の強みをしっかりと把握していらっしゃるのですね。だからこそ場を提供できた。

1つの道を究めている人が輝ける職場だと思います。「圧縮なら負けない」とか「ネットワークの知見がすごくある」とか。特に東京スタジオは立ち上げ期なので、いろいろな個性が欲しい。各プロフェッショナルの力を集結させて、チームとして1つの素晴らしい作品をアウトプットできればいいなと思っています。
 

▲海外市場でも大きな注目を浴びた『ダークサマナー』
 
 

■スマホゲームの歴史を塗り替えたい


──:チームとしての意思統一はどのようにして図っているのでしょう? 個性がそれぞれにあると、ともすれば方向性がバラバラになってしまうことも起こり得そうですが。

エイチームの社員は、経営理念である「みんなで幸せになれる会社にすること」「今から100年続く会社にすること」という大きなコンセンサスのもとに集まっています。同じ行動指針を持っているから、同じ方向に歩める。エイチームの一番の魅力は、人だと思っています。みんなで成功しようというカルチャーが浸透しているので、どの職種のメンバーも話しやすくてフランク。


──:東京スタジオでも、そのカルチャーは引き継がれますか?

大丈夫です。なぜなら、エイチームの経営理念はメンバーが身近に感じられるものだから。概念的な内容でも、壮大な目標でもなくて、個々の人生にも密接しています。経営理念には林社長の想いが詰まっていて、説明会でも直接話をしています。また、各オフィスの状況は社内のモニターに常時映し出されているので、他の拠点とつながっているという感覚が希薄になることもありません。
 


──:御社は海外展開にも積極的です。そこへの共感も採用においては1つのポイントですか?

そうですね。エイチームが目指しているのは、継続的に世界中でヒットを飛ばせる世界的ヒットメーカーです。その目標に向かう上で、東京スタジオが重要なカギになることは間違いありません。今後は「これはアジア」「これは北米」というように、それぞれのエリアに照準を定めながら開発を進めていく予定です。台湾や中国がすごく伸びている今、特にアジア圏の売上は高めていきたいと思っています。


──:御社の組織づくりは海外展開を大前提としている印象があります。外国人のメンバーも多く、社内にはグローバルパブリッシングチームもあるという。

スマホ市場の成長って、世界の各国で起きているじゃないですか。こんなムーブメントって、他にないと思うんですよ。世界中のクリエイターが、ネイティブアプリという同じフィールドのもとで、一緒にマーケットをつくっている。そのグローバルな広がりを、うちのメンバーたちには身近に感じてほしい。最近では『ユニゾンリーグ』を台湾のパブリッシャー経由で準備中であることなど、海外出張が増えています。


──:海外に目を向けようと、発破をかけていらっしゃるようにも感じられます。

この恵まれた市場環境を楽しんで欲しいと思っています。「こんなタイミングは滅多にないぞ」「もっと面白いことできるぞ」って。ムーブメントの最前線に立っているというワクワクを、みんなに感じてほしいですね。
 


──:それでは最後にメッセージをお願いします。
 
エイチームは本気で海外を狙っています。グローバル規模でドンと当てたい。「スマホゲームの歴史を塗り替えてやる」くらいの気概があります。日本国内で素晴らしい売上を記録しているゲームは多々ありますが、世界を巻き込んでいるタイトルはあまり見ないです。コンシューマーもそうで、海外のメーカーに押され気味です。

私たちは、ネイティブアプリというフェアなフィールドの中で、日本のゲームメーカーの力を海外に示していきたい。だから「一緒に一発やったろうで!」という感じですかね。もちろん名古屋や大阪でも継続的に採用を行っていくので、共感する部分があった方はぜひ門を叩いてください。



■エイチーム
 
株式会社エイチーム
https://www.a-tm.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社エイチーム
設立
2000年2月
代表者
代表取締役社長 林 高生
決算期
7月
直近業績
売上高275億5200万円、営業利益5億4300万円、経常利益7億1100万円、最終利益1億4300万円(2023年7月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3662
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