スマホ市場でも「キャッチ・ザ・ハート」を狙うタイトー新作発表会。『アルカノイドVSスペースインベーダー』に“アイドル見せびらかしゲーム”って!?


タイトーは、2014年11月12日に都内で新作発表会を開催し、スマートフォン向け新作4タイトルを今冬に配信することを発表した。同社は急速に成長を続けるスマートフォン向けコンテンツ市場に注力しており、国内外に向けたゲームの開発を進めていくためとしている。

発表会の冒頭では、タイトーのデジタルコンテンツ事業本部 ON!AIR事業部 事業部長 川島健太郎氏(写真)が登壇。モバイルコンテンツ黎明期から積極的に展開してきた同社だが、直近では「LINE」や「カカオトーク」で運営しているモバイル版『パズルボブル』シリーズが累計1300万ダウンロード達成したことを説明した。

また、iOS端末向け音楽ゲーム『グルーヴコースター』も累計200万ダウンロード達成し、あまりの人気にアーケード版を開発するなど、他社とは一線を画する事業を試みている。

そんな同社のデジタルコンテンツ事業本部を管轄する川島氏だが、会場で「モバイル事業部とアーケード事業部を統合した」ことを説明。今後は前述した『グルーヴコースター』のように、アーケードとモバイルと連動した作品の開発に努めていくことを明らかにしたのだ。最後に川島氏は、「アーケード、そしてモバイルでも開発していきますが、基本的にはその垣根を超えて、いかに面白い体験を作っていくかを第一に開発を進めていく」と言葉で挨拶を締めた。

以下、各プロデューサー陣が登壇し、タイトル毎のゲーム概要や魅力などをプレゼンした模様を伝えていく。

 

■『アイドルクロニクル』…アイドルの成長がきちんと垣間見れる


はじめに発表されたのが、自分だけのオリジナルアイドルを育成できる『アイドルクロニクル』。登壇した本作プロデューサーであるタイトーの郷田努氏は、これまで多数のRPG作品を手掛けてきたクリエイターだ。

開発には、アイドルゲーム開発の実績を持つハ・ン・ド。楽曲製作は、本物のアイドルグループの作曲・編曲を手掛けるTeam-MAX、ゲーム内BGMはタイトー内製のサウンドチーム・ZUNTATA、音響監督は納谷僚介氏が担当している。

また、モーションキャプチャーで表現した振り付けは、実際のアイドルグループを多数プロデュースしているアークジュエルと組み、グループ会社であるスクウェア・エニックスのヴィジュアルワークスが撮影したものを起用していることもあり、多くの著名クリエイターが関わっているタイトルとなる。

■スタッフ一覧
プロデュース:郷田努(TAITO)
原案・原作・脚本:郷田努(TAITO)
ゲーム製作:株式会社ハ・ン・ド
楽曲製作:Team-MAX(ROCKMAN)
ゲームBGM製作:ZUNTATA(TAITO)
音響監督:納谷僚介(スタジオマウス)
振付:アークジュエル
モーションキャプチャー:ヴィジュアルワークス(スクウェア・エニックス)



登場人物は、グループのリーダーを務める高校生・里見陽奈、ツンデレで小柄なハーフの中学生・松平ユリア、お姉さん的なポジションの大学生・京極瑠璃の3人。本作の特徴としては、プレイヤーはプロデューサーとしてではなく、マネージャーとして彼女たちに関わっていくことにある。





郷田氏は、開発中にアイドルゲームを遊ぶユーザーたちからヒアリングを行ったところ、「プレイヤーは“育ててやろう”という考えよりも、家族のように“応援したい”サポーター的な立ち位置で接していくのを望んでいる」と語ってくれた。そのため、一緒に苦楽を共にしながらも前へ進んでいくマネージャー視点を採用したようだ。

アドベンチャーパートでは、登場する3人のアイドルたちはフルボイス。また、親密度が上がるとキャラクター毎のスペシャルストーリーを体験できる。フルボイスのため容量を気にするユーザーもいると思うが、ゲームスタート時はフルボイスに対応しておらず、後から無料でフルボイス版をダウンロードできるという。



そして、本作の醍醐味と言えば、何と言ってもカスタマイズの豊富さである。なかでも衣装のバリエーションは、トップス24×ボトムス24× シューズ24×ヘア9×ヘッド3×フェイス(メガネやイヤリングなど)5 ×バッグ(背中)6=11,197,440と、驚くことに1100万を超える組合せを楽しめるとのことだ。現在も鋭意開発中のため、日に日にその数は増えているという。



そのほか、ライブで選べるステージは10種類に加えて、ステージではライトやスモークなどのアイテムでオリジナルカスタマイズが可能。オリジナル楽曲は6曲を収録し、こちらも順次新曲追加予定。

本作でユニークなところが、プレイを重ねていくとアイドルたちがダンスを上達していくことだ。「これまでのアイドルゲームはパラメータの数値だけで、あまり成長している実感が無かったと思います」とし、本作では目に見えて彼女たちの成長を垣間見れることになる。同じ楽曲で同じアイドルだけでも、姿形や衣装、そして舞台演出もコーディネートでき、なおかつ踊りも変化する……「アイドルをお客様と一緒に育てていきたい」という郷田氏の想いが込められているのが、この『アイドルクロニクル』である。

また、動画投稿機能も搭載されており、投稿された動画は独自ポータルサイト「ichro.net」で閲覧できるほか、ランキング情報なども確認できる。11月24日(月)23時より第1回公式ニコ生の放送も決定し、事前登録も現在受付中。事前登録では、10万人突破することで全てのパーツの限定衣装がもらえる。






■概要
タイトル:アイドルクロニクル
ジャンル:アイドルみせびらかしゲーム
リリース予定日:Android版(2014年12月)、iOS版(2015年1月)
価格:基本プレイ無料(アイテム課金制あり)
 
 
 

■『Wizrogue Labyrinth of Wizardry』…無限の迷宮×ウィザードリィ


続いて世界三大RPGの一つに数えられる名作『ウィザードリィ』と、今なお根強い人気を誇るローグライク(無限の迷宮)ゲームが融合した『Wizrogue Labyrinth of Wizardry』(ウィズローグ)が発表された。ディレクターを務める前田明彦氏は甲冑姿で登場し、「懐かしくも新しい体験がここにあります」とコメントした。

本作は、自動生成される迷宮や1ターンずつ考えながら進めるというローグライクゲームの面白さはそのままに、プレイヤー・モンスターもパーティを組んで戦うという『ウィザードリィ』の要素と世界観をミックス。

末弥純氏のイラストを中心に、日本で独特の展開をした『ウィザードリィ』のダークな雰囲気も踏襲し、モンスターやキャラクターをメタルフィギュア調に立体化している。ミニチュア感のあるダンジョン内とあいまって、独特の世界観を新たな形で表現しているのが魅力である。






また、『ウィズローグ』はタブレットに最適化。不気味な迷宮で繰り広げられるモンスターとの戦いを、タブレットならではの大画面で、じっくり楽しめるのも本作ならではだ(※一部対応していない機種あり)。

公式サイトでは、現在事前登録を受付中。事前登録者には「ダイヤモンドの騎士」がもれなくプレゼント。また、最後にサプライズとしてアーケード版『ウィズローグ』の開発を検討していることを発表した。冒頭で川島氏が話したアーケード版とモバイル版の連動も楽しみなタイトルである。



【あらすじ】
かつて、聖杯から湧き出す聖水の力で瘴気を退け、栄華を誇る王国があった。しかし、狂気した忠臣によって聖杯は盗まれ、奪還を試みたが敵わず、ついに聖水の加護を失った王国は、瘴気に蝕まれて滅亡した。瘴気の源は、異形の者どもが潜むという不気味な迷宮群。時を経て、瘴気の影響はかつての王国から遠く離れた辺境の地にまで及ぼうとしていた。

領地と領民を守るため、多くの兵士を迷宮の調査に送りこんだが、そのほとんどが犠牲となった。領主はついに宰相に命じて、あるお触れを領内に出した。 「腕に覚えのある冒険者よ、集え!」 聖水と瘴気、そして迷宮を巡る冒険者たちの戦いがここに幕を開ける・・・
 

▲今回の『ウィザードリィ』はフィギュア化されたキャラクターたちが特徴的である。
どうやらアオシマ文化教材社発売の『ウィザードリィ』のメタルフィギュアからアイデアを得たようだ。

■概要
タイトル:Wizrogue Labyrinth of Wizardry
ジャンル:ダンジョン探索型ローグライクRPG
リリース予定日:今冬
価格:基本プレイ無料(アイテム課金制あり)
   


 

■『バブルンマーチ』…人気シリーズ20周年記念作品を主人公自らプレゼン!



続いて発表されたのは、人気パズルゲーム『パズルボブル』の20周年記念作品にあたる最新作『バブルンマーチ』。本作をプレゼンしてくれるのは、『パズルボブル』シリーズの統括プロデューサー・西脇剛志氏……であったのだが、「ちょっと待ったー!」の可愛い一声と共に登場したのは、なんと同シリーズの主人公でもあるバブルンの着ぐるみ、げふんげふん、ではなくてバブルン氏! 急遽、西脇氏に代わって可愛いバブルン氏がプレゼンを務めることになった。
 

▲バブルン氏の登場時、ドアにひっかかるというハプニングで会場大爆笑
 

▲改めて、『パズルボブル』シリーズ 主人公 バブルン氏

さて、本作は1994年にアーケードゲームとして登場し、以降家庭用ゲーム機やスマートフォン向けゲームでの大ヒットとなった『パズルボブル』のシリーズ最新作にあたるパズルアドベンチャーゲーム。魔法使いの呪いによってドラゴンに変えられてしまった兄弟“バブルン”と“ボブルン”がちょっと不思議なおとぎの世界で、各ステージのバブルを消しながら冒険を進めていく。スライド式の簡単パズルについつい先を見たくなるようなストーリーが加わり、飽きることなくゲームの世界が楽しめるのが特徴。

様々なサービスを生み続ける「Ameba」での提供にあたりサイバーエージェントのアバターコミュニティサービス「アメーバピグ」と連携し、フレンドになった「ピグとも」とランキングを競って「バブルンマーチ」を楽しんだり、得点をSNSに投稿することもできるという。
 

▲おとぎ話の登場人物が多数出演。
バブルン氏いわく「物語は本来のおとぎ話にアレンジが加わっている」と説明。

 
 
 

▲バブルン氏、『バブルンマーチ』のプレゼンをしっかり務め上げた。

■概要
タイトル:バブルンマーチ
ジャンル:パズルアドベンチャー
リリース予定日:今冬
価格:基本プレイ無料(アイテム課金制あり)
 
 
 

■『アルカノイドVSスペースインベーダー(仮称)』…これが意外と合うんです!



▲※開発中のためデザインが変更になる可能性あり。

最後に発表されたのが、タイトーの代名詞でもある『スペースインベーダー』の最新作……なんだが、驚くことに第2次ブロック崩しブームの「火付け役」として名高いあの『アルカノイド』と合体とな!? その名も『アルカノイドVSスペースインベーダー(仮称)』! 紹介してくれたのは、本作のプロデューサーを務める山下日光氏。
 

▲誰が何と言おうが山下日光氏。

やけにペラペラなプロデューサー・山下氏は、誰もが気になる融合作品のゲーム概要について解説してくれた。本作は、インベーダーの攻撃を利用して敵を一掃していく、ジャンル表記としては全反射迎撃アクションゲームとなる。ゲーム中では、インベーダーフェーズとアルカノイドフェーズのふたつが切り替わりながら進行していく。



インベーダーフェーズは、おもにインベーダーが放つ攻撃をバウス(自機)ですべて弾き返すフェーズとなる。注目するのはバウスの操作だ。指を左右にスライドして動かすこともできるのだが、今回はタッチするだけでその場所にワープすることができる。これにより、離れた場所に落ちてくる敵も簡単にはじきかえせるようになるうえ、弾が落ちてきてラインに重なる瞬間にタッチすることで威力が強くなる“スマッシュ”という新たなスキルも放てることができるようになったのだ。

なお、もしも弾き返せずに下のエナジーエリアに落としてしまうと、宇宙船アルカノイド号がダメージを受けてしまうので注意。弾き返す度にチャージゲージが増え、満タンになるとアルカノイドフェーズに移行する。
 
 
 

アルカノイドフェーズでは、動きの止まった敵をエナジーボールで破壊していく。エナジーボールでないと倒せない敵や、切り替わらないスイッチなどもある。フェーズに移動すると、はじめに指を上方向にスライドさせると、その位置からスラッシュした角度でエナジーボールが打ち出される。これにより特定のインベーダーを倒したい、またはブロックを壊したいというときに、方向を定める腕さえあれば、簡単に狙えるようになっている。

エナジーボールを落とすか、チャージゲージが0になると再びインベーダーフェーズに戻ってしまう。この両フェーズを通してすべてのインベーダーを倒せばステージクリアーとなる。このほかにアイテムや特殊の敵、ボス戦、固定砲台など色々存在するようだ。
 
 

 

▲ふたつのフェーズの切り替わりがテンポ良く、また敵を一掃していく爽快感もきちんとあった。
アルカノイドフェーズでは、はじめの一手をスライドで任意に決められる点もストレス無くて◎。

■概要
タイトル:アルカノイド VS スペースインベーダー(仮称)
ジャンル:全反射迎撃アクション
リリース予定日:今冬
価格:基本プレイ無料(アイテム課金制あり)
 

▲お、おう。
 

■関連サイト

「タイトー」企業サイト


© TAITO CORPORATION 2014 ALL RIGHTS RESERVED.
"Wizardry®” of GMO Gamepot Inc. All rights reserved.
Licensed by GMO Gamepot Inc. to TAITO CORPORATION.
"Wizardry Renaissance™" ©2009 GMO Gamepot Inc. All rights reserved.
© TAITO CORPORATION 1994,2014 ALL RIGHTS RESERVED.
© TAITO CORPORATION 1978, 2014 ALL RIGHTS RESERVED.