D2C、中国スマホゲーム市場へ参入…中国の大手メディアグループ企業と合弁会社を設立

D2Cは7月11日、中国本土ゲーム市場への参入に向けて、中国の大手メディアグループである上海文化広播影視集団有限公司(SMG)のグループ企業・上海東方明珠文化発展有限公司(OPCD)と、6月28日に中国(上海)自由貿易試験区で合弁会社を設立したと発表した。

このたび設立した合弁会社「上海东方明珠迪尔希文化传媒有限公司」は、自社開発をはじめ、D2Cや日本企業が開発したスマートフォンゲームのローカライ ズ、パブリッシング、運営を手掛ける。D2Cが40%相当額(2000万元)、OPCDが60%相当額(3000万元)をそれぞれ出資。合弁会社の総経理(CEO)には、D2C コンシューマ事業本部長の山口哲也氏が就任する予定だ。

D2Cが日本と中国の市場で培ってきたスマホゲームのノウハウと、OPCDの親会社である上海東方明珠(集団)股份有限公司(OPG)やSMGが所有する多くのメディアを活用した強力なプロモーション力との相乗効果を活かす。

近年、中国においてもオンラインゲームやスマートフォンゲーム市場が急速に拡大している。D2Cが引用した統計によれば、スマートフォンゲームの市場規模は2013年に112.4億元(約1855億円)に到達、2014年には200億元(約3300億円)を超えると予測されているという。また、スマホゲーム利用者数は、2013年には54.7%増(前年比)の2億1500万人と、驚異的な増加値を示している。
 
▼合弁会社の位置付け
 

参考:関連する中国企業の概要

■SMG
上海文化広播影視集団有限公司(SMG)は、上海文化広播影視集団と上海ラジオテレビ局、上海東方伝媒集団有限公司が2014年3月に合併して設立された。中国最大級のマスメディア及び総合文化産業グループとのこと。事業分野は、ニュース配信、テレビ・ラジオ局の運営、インターネットメディアの運営、イベント開催、旅行事業、テレビ通販、版権ビジネスなど。15個のテレビチャンネル、11個のラジオチャンネル、15個の有料デジタルテレビチャンネル、9種類の雑誌を保有している。

■OPG
上海東方明珠(集団)股份有限公司(OPG)とは、1992年に中国で初めて上場した文化産業企業。新媒体創出や対外投資領域に力を入れ、観光地として人気の東方明珠電視塔を中心に、上海国際会議センターや上海メルセデス・ベンツ・アリーナなどを運営。上海市内の地下鉄・バスなどをカバーするデジタル配信テレビチャンネルも保有する。

■OPCD
上海東方明珠文化発展有限公司(OPCD)は、中国(上海)自由貿易試験区における文化・コンテンツ領域に関する事業会社で、2013年10月1日に設立された。同試験区に第一陣として入居する25社の一つ。同区に最初に進出した文化娯楽企業としての先発優位性に加え、東方明珠グループの持つメディアリソースと知名度が大きな武器になると期待されているという。

■中国(上海)自由貿易試験区とは
2013年7月に中国の国務院常務会議が承認した「中国(上海)自由貿易試験区全体方案」によって設立された経済特区。金融および物流・貿易の自由化、そして投資手続の緩和などが謳われている。中国政府はこの試験区をかつての深圳における経済特区の設置や、世界貿易機関(WTO)加盟などに続く経済政策の大きな転換点と位置づけており、上海以外においても、天津や重慶、大連など中国全体に拡がる可能性がある。

 
株式会社D2C
http://www.d2c.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社D2C
設立
2000年6月
代表者
代表取締役社長 高田 了/代表取締役副社長 新谷 哲也
決算期
3月
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