セガネットワークス、第3四半期の売上高は前四半期比55%増の67億円…成長ペースはコロプラ級?

セガネットワークスの第3四半期(2013年10~12月)の単独グロス売上高が、前四半期(7~9月)比55%増の67億円だったとわかった。セガサミーホールディングス<6460>が2月10日に公開した第3四半期の決算説明資料で判明した。スマートフォン向けゲーム『ぷよぷよ!!クエスト』『チェインクロニクル』の成長が業績をけん引している。

セガネットワークスはセガのネットワーク事業を分割する形で2012年7月に設立された企業で、スマートデバイス(スマートフォンやタブレット)向けのアプリコンテンツを手掛ける。セガのソフト資産を活用した『ぷよぷよ!!クエスト』『ボーダーブレイク mobile -疾風のガンフロント-』のほか、『チェインクロニクル』『キングダムコンクエスト』シリーズなどのオリジナルタイトルなどを提供する。
 


会社予想によれば、2014年3月期通年の売上高は207億円と、セガサミーHD全体のコンシューマ事業(会社予想1095億円)の19%、うちデジタル(ゲームコンテンツ)事業(同403億円)の51%を占める規模にまで成長。設立2年目ながら、セガサミーグループのコンシューマ事業の一角を担う立ち位置を獲得した。

スマホアプリ市場の成長に乗ったと言えるが、新設企業としての機動力をもって、老舗エンターテインメント企業であるセガサミーHDの資産を活用できたという面もあるだろう。昨年のランキング推移を見ても、セガネットワークスのタイトルの上位躍進が目立った(関連記事)。

利益面の動向は開示されていないが、売上高を見る限り、スマホアプリ特化企業としては好調組に分類されるだろう。数字が判明している家庭用ゲーム大手のモバイルコンテンツ事業と比較すると、今期にSNS・アプリ・オンライン系ゲームで計650億円近く売り上げる見込みのバンダイナムコホールディングス<7832>と比べれば見劣りするが、四半期ごとの売上高が10億~30億円で推移しているコーエーテクモホールディングス<3635>やカプコン<9697>と比べればリードしていると言っていい。

比較したいのは、ネイティブアプリゲームに大きくかじを切り、急成長を果たしたコロプラ<3668>だ。もちろん、同四半期を比較した場合、セガネットワークスの売上規模はコロプラに及ばない。ただ、前四半期比の伸び率では、そう見劣りしない成長ペースを示している。
 

やや乱暴な比較かもしれないが、セガネットワークスと3ヵ月前のコロプラを比べると(例:セガネットワークスの10~12月とコロプラの7~9月を比較)、ほぼ同水準に成長していることがわかる。セガネットワークスが3ヵ月遅れでコロプラを追いかけているような格好だ。

 

セガネットワークスの2013年10~12月の売上高は、会社計画を6億円上回って着地した。人気タイトル『チェインクロニクル』のアジア展開などを通じて、四半期売上高100億円規模を達成することができるか。家庭用ゲーム企業ではなく、ヒットアプリメーカーとして、今後の動向に注目していきたい。
株式会社セガ
https://www.sega.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社セガ
設立
1960年6月
代表者
代表取締役会長CEO 里見 治紀/代表取締役社長執行役員COO 内海 州史/代表取締役副社長執行役員Co-COO 杉野 行雄
決算期
3月
直近業績
売上高1916億7800万円、営業利益175億3900万円、経常利益171億9000万円、最終利益114億8800万円(2023年3月期)
企業データを見る