【2013年の米国App Store売上ランキングまとめ】KingとSuperCellが激しい首位争い 3月以降躍進を遂げたグリー

年の瀬も迫ってきたこともあり、2013年の米国App Storeの売上ランキングを振り返ろう。まず、結論から入ると、2012年後半から人気を集めていたKing.comとSuperCellが引き続き激しい首位争いを展開した1年だったといえよう。両社と3位以下とは大きな差になっているものとみられる。

3位以下については、Electronic Arts(EA)とKabamが安定した推移を見せたほか、グリーが3月以降、マーケットにおける存在感を高めた。その一方、年中盤まで一定のポジションをとっていたMobageやZyngaが年後半にかけてランキングタイトル数を減らしていった。

このなかでもグリーの活躍が目覚ましい。当サイトでも何度も触れているが、3月以降、ポジションを上げ、一時はトップ50に5タイトル入った。2012年5月に買収したFunzio系のタイトルが中心だが、一部で経営が混乱したという噂も流れたように、買収後、ポジションを落としていた。

しかし、2013年3月頃から立て直しに成功し、マーケットでのポジションを高めていった。プレイヤー同士でつくるチーム単位のイベントなどを行うとともに、特効アイテムの販売、有料ポイントのセールを組み合わせるなどグリーの運営ノウハウとの融合が成功したようだ。

以下のグラフは、月末時点の売上ランキング表を示したものだ(このため、月末特有の動きの影響が出ている部分があることはご留意いただきたい)。ディベロッパー別に色を付けて、シェアの変化が視覚的にわかるようにした。


 

■KingとSuperCellの激しい首位争い


まず、King.comとSuperCellに注目してみよう。両社のタイトルのランキング推移を示したものが以下の図となる。赤がking.comで、青がSuperCellのタイトルとした。

 
【King(赤)、SuperCell(青)】
 


King.comの『Candy Crush Saga』が4月以降、8月を除いて首位の座を獲得した。6月から『Pet Rescue Saga』が上位に顔を出しはじめ、9月以降、トップ10に定着した。

他方、SuperCellは、『Clash of Clans』が『Candy Crush Saga』との激しい首位争いを展開する一方、『Hay Day』も年間を通じてトップ10圏内を維持した。


 

■安定した人気のEA、台頭するグリー


続いて3番手グループを見ていこう。EAを緑、Kabamをオレンジ、グリーを青、Zyngaを赤、Mobageを黄とした(Mobageとしたのは、ディー・エヌ・エー単独ではなく、SAPのタイトルもMobage名義で出しているため)。

 
【EA(緑)、Kabam(オレンジ)、Zynga(赤)】
 
【グリー(青)とMobage(黄色)】



EAが安定したランキング推移を見せた。EAは、『The Simpsons: Tapped Out』が年間を通してトップ20に入ったほか、『The Sims FreePlay』や『Madden NFL 25』、『Real Racing 3』、『FIFA 14』が人気となった。PopCapの『Bejeweled Blitz』や『Plants vs. Zombies 2』も寄与した。

Kabamについては、『Kingdoms of Camelot: Battle for the North』と『The Hobbit: Kingdoms of Middle-earth』が年末に若干ポジションを落としているものの、年間を通じてトップ50に入った。途中、『Fast & Furious 6: The Game(日本語版ワイルド スピード ユーロ・ミッション: ザ・ゲーム)』もランキングに入る場面もあった。

また、台頭著しいのがグリーだ。イベントドリブン型のためか、乱高下することがあるものの、『Modern War』が3月以降、トップ20位圏内に推移したほか、『Crime City』、『Kingdom Age』が好調に推移した。『Knights & Dragons』や『War of Nations』もトップ50に入ることが珍しくなくなった。『Knights & Dragons』は、Androidと合わせて12月には月商500万ドルを突破したという(関連記事)。

他方、Mobage系については、年後半にはいってランキングタイトルが減る傾向にある。『MARVEL War of Heroes』は年間を通して健闘したものの、首位を獲得した『Rage of Bahamut』のほか、『Blood Brothers』も徐々に順位を落としていった。12月28日時点では『MARVEL War of Heroes』のみがトップ50に入った。

同様に、Zyngaもポジションを落とす傾向にある。主力タイトル『Poker by Zynga』もトップ20に入れなくなる場面が増えてきた。『Draw Something 2』や『CastleVille Legends』、『Scramble With Friends』、『Stampede Run Free』などもトップ50に入ったものの、人気を維持することができなかった。

このほか、Machine Zone『Game of War - Fire Age』、Glu Games『Deer Hunter 2014』が人気となったことや、引き続きカジノゲームアプリが一定のポジションを得ていること、Phoenix Age、Pocket Gemsも復数ランクインするなど存在感を示し続けたことも触れておきたい。


 

■明暗分かれる日本企業


最後に日本企業の動向だが、グリーを青、Mobageを黄、ガンホーを紫、KLabを赤、アプリボットをピンク、ドリコムをオレンジ、エイチームを緑とした。

 
【グリー(青)、Mobage(黄)、ガンホー(紫)、KLab(赤)、アプリボット(ピンク)、ドリコム(オレンジ)、エイチーム(緑)】


ご覧になってわかるように6月にはトップ50のうち、グリーやMobage系のタイトルだえけなく、ガンホー、ドリコム、KLab、アプリボットなど合計13タイトルを占める状況となったものの、その後、ランクインするタイトルが減り始め、12月には7タイトルとなった。他方、グリーが国内企業ではトップのランクイン数となったほか、2月以降、ガンホー『パズル&ドラゴンズ』がトップ50に毎月入っていることも注目点だろう。


 

■附録


2013年1~12月において、復数タイトルがトップ50に入ったディベロッパーを下記のようにまとめてみた。

 
EAにはPopCapのタイトルも含めている。