ゲームソフト大手6社の1Qは明暗分かれる…セガサミーの好調目立つ[決算まとめ]

大手ゲーム会社6社の4-6月期決算が出揃い、本業の儲けを示す営業利益が前年同期比でプラスとなったのは、6社中3社だった。とりわけ、今回目立ったのはセガサミーホールディングスだった。利益の大半を稼ぐサミーの遊技機販売が好調だったことに加え、ゲームソフトの赤字が続いていたセガも収益が改善したようだ。前年同期に実施した構造改革の効果が出たことに加え、オンラインコンテンツが好調に推移した。

また、大手ゲーム会社は、モバイルやオンラインゲームなどのコンテンツに注力しているものの、依然としてコンシューマーゲームの比率が高いこともわかる。コンシューマーゲームは、年末商戦などに集中してタイトルをリリースするため、収益が下期に集中する傾向にある。よって、第1四半期の利益水準や通期計画に対する進ちょく率はどうしても低くなってしまう。セガサミーHDやバンダイナムコHDは、モバイルや玩具、遊技機などの事業を展開しているため、第1四半期でも高い収益を出すことができている。

 

(注1)コナミはSEC基準のため、経常利益はない。

(注2)前期比で%表記のないものは前期実績である。

(注3)△は赤字であることを示す。

 

【大手6社の売上高比較】

 

【大手6社の営業利益比較】

 

■バンダイナムコホールディングス<7832>

売上高が2.6%減の1058億円、営業利益は17.4%減の134億円となった。玩具を中心とするトイ・ホビー事業が減収減益となったことに加え、アミューズメント施設事業で赤字となったことが影響した。またゲームを中心とするコンテンツ事業も営業減益となった。ソーシャルゲームの第1四半期実績の売上高は、「アイドルマスターシリーズ」や「機動戦士ガンダム」シリーズ、「ワンピース」などが貢献し、140億円だったとのこと。第2四半期は120億円、下期では190億円で、通期では450億円を見込んでいるという。

 

■コーエーテクモホールディングス<3635>

売上高が10.9%増の64億円、営業利益が79.8%増の44億円だった。経常利益も前期の5億円の赤字から16億円の黒字となっている。オンライン・モバイル事業やメディア・ライツ事業が先行投資による減益となったものの、「討鬼伝」などの家庭用ゲームソフトが好調だった。経常利益の大幅な増加は、株式市場の活況により、投資有価証券の売却益を計上したことによる。

 

■セガサミーホールディングス<6460>

売上高が29.6%増の907億円、営業利益が同197%増の161億円と大幅な増益を達成。『パチスロ 北斗の拳 転生の章』を中心に遊技機事業が好調に推移したことが主な要因だった。さらに前年同期に15億円の赤字を計上したコンシューマー事業が3900万円の黒字に転換したことも収益を押し上げた。構造改革による新作の絞り込みにより、コンシューマーゲームの販売本数は減少したものの、『ファンタシースターオンライン2』や『ぷよぷよ!!クエスト』などのオンラインコンテンツが貢献した。利益貢献はまだ少ないものの、スマホ関連コンテンツを精力的にリリースしており、今後の活躍が期待される。

 

■コナミ<9766>

売上高及び営業収入が前年同期比7.20%減、営業利益が72.2%減の14億円だった。主力のデジタルエンタテインメント事業の不振が響いた。「ドラゴンコレクション」、「戦国コレクション」、「プロ野球ドリームナイン」、「クローズ×WORST」シリーズなどソーシャルコンテンツが堅調に推移したものの、ゲームソフトの販売本数が前年同期の202万本から103万本に減少したことが響いた。

 

■スクウェア・エニックス・ホールディングス<9684>

売上高が3.3%減の240億円、営業利益が前年同期11億円の赤字から6億円の黒字となった。デジタルエンタテインメント事業と、アミューズメント事業の収益改善が進んだ。家庭用ゲーム機向けソフト販売が低調に推移する一方、「戦国IXA」や「拡散性ミリオンアーサー」、「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族オンライン」といったオンラインコンテンツが堅調だった。ただ、コンシューマーゲームの大型タイトルが控えているため、コンテンツ制作勘定が199億円と前年同期158億円から増加しており、この辺りが今期のカギを握りそうである。

 

■カプコン<9697>

売上高が6.2%減の174億円、営業利益が72.9%減の7億円となった。『バイオハザード リベレーションズ アンベールド エディション』が概ね計画通りに推移したほか、『ドラゴンズドグマ:ダークアリズン』も堅調だったものの、パッケージソフトの販売単価の低下とモバイルコンテンツでの有力タイトルの不在などにより大幅な減益となった。

株式会社カプコン
http://www.capcom.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社カプコン
設立
1983年6月
代表者
代表取締役社長 最高執行責任者 (COO) 辻本 春弘
決算期
3月
直近業績
売上高1259億3000万円、営業利益508億1200万円、経常利益513億6900万円、最終利益367億3700万円(2023年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
9697
企業データを見る
株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングス
https://www.hd.square-enix.com/jpn/

会社情報

会社名
株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングス
設立
1975年9月
代表者
代表取締役社長 桐生 隆司
決算期
3月
直近業績
売上高3432億6700万円、営業利益443億3100万円、経常利益547億0900万円、最終利益492億6400万円(2023年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
9684
企業データを見る
コナミグループ株式会社
http://www.konami.com/

会社情報

会社名
コナミグループ株式会社
設立
1973年3月
代表者
代表取締役会長 上月 景正/代表取締役社長 東尾 公彦
決算期
3月
直近業績
売上高3143億2100万円、営業利益461億8500万円、最終利益348億9500万円(2023年3月期)
上場区分
東証プライム(ロンドン証券取引所にも上場)
証券コード
9766
企業データを見る
コーエーテクモホールディングス株式会社
http://www.koeitecmo.co.jp/

会社情報

会社名
コーエーテクモホールディングス株式会社
設立
2009年4月
代表者
代表取締役会長 襟川 恵子/代表取締役社長 襟川 陽一
決算期
3月
直近業績
売上高784億1700万円、・営業利益391億3300万円、経常利益398億9900万円、最終利益309億3500万円(2023年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3635
企業データを見る
株式会社バンダイナムコホールディングス
http://www.bandainamco.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社バンダイナムコホールディングス
設立
2005年9月
代表者
代表取締役社長 川口 勝
決算期
3月
直近業績
売上高9900億8900万円、営業利益1164億7200万円、経常利益1280億0600万円、最終利益903億4500万円(2023年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
7832
企業データを見る
セガサミーホールディングス株式会社
http://www.segasammy.co.jp

会社情報

会社名
セガサミーホールディングス株式会社
設立
2004年10月
代表者
代表取締役会長 里見 治/代表取締役社長 グループCEO 里見 治紀
決算期
3月
直近業績
売上高3896億3500万円、営業利益467億8900万円、経常利益494億7300万円、最終利益459億3800万円(2023年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
6460
企業データを見る