【エディア決算説明会】『SHOW BY ROCK!!』運営権取得でQonQで増収も費用の先行続く 「前期の減少を今期以降取り戻す」(原尾社長)


エディア<3935>は、4月13日、東京都内で2018年2月期の決算説明会を開催した。その前日4月12日に発表した決算は、売上高7億7100万円(前年同期比43.5%減)、営業損益4億300万円の赤字(前年同期5400万円の黒字)、経常損益4億1100万円の赤字(同3800万円の黒字)、当期純損益5億3500万円の赤字(同3200万円の赤字)と大幅減収、赤字転落という結果になった。

「スマホゲーム市場が厳しいものとなってきており、少しでの成功の確率を上げるため、開発中タイトルのブラッシュアップを行っている」(原尾社長)とのことで、新作タイトルのリリースが遅れていることが、「当初の予算を大幅に下方修正」(同)という結果につながったようだ。

説明会では、同社の原尾正紀社長CEOが決算の概要と今後の方針についての説明を行った。今回はその会見の様子をまとめてみた。
 

■『SHOW BY ROCK!!』の寄与でQonQでは2ケタ増収に


まずは、業績を四半期推移(QonQ)で見てみると、第4四半期期間(12~2月)は売上高は前四半期比21.5%増の2億900万円となったものの、営業損益は1億3200万円の赤字、経常損益は1億3300万円の赤字、四半期純損益は2億2400万円の赤字といずれも赤字幅が拡大した。売上高は1月1日付でギークスより、スマートフォンゲーム『SHOW BY ROCK!!』の運営を引き継ぎ、これが2ヶ月分寄与したこともあり、大幅な増収での着地となった。
 

一方、各利益項目については、来期にずれ込んだ2タイトルを含む新作の開発費など費用が先行していることもあり、いずれも赤字幅が拡大した。
 

次に販管費の四半期推移を見てみると、前四半期比11.5%増の2億300万円となった。変化の大きさが目立ったのは、業務委託費の増加で、これは新作の開発に伴う外注費用の増加がその要因となっている。
 
 

■今期ゲームサービス事業の新作は「最低3本」(原尾社長)


続いてゲームサービス事業の状況を見てみたい。この四半期は、11月より配信を開始した『ハローキティのドコカナアルカナ』がフル寄与する形となっているが、当初の期待値には届いていないようだ。同社が開発中の2タイトルのブラッシュアップに踏み切ったのも本作の苦戦を受けて見直しを進めた結果であり、新作によるゲームサービス事業の立て直しは、当初より時間がかかることになりそうだ。

その遅れをカバーする施策として、同社は前述の通り、ギークスからスマートフォンゲーム『SHOW BY ROCK!!』の運営権を取得した。また、同様にゲームやアニメ関連の音楽・ドラマCDの企画・制作・販売を行うティームエンタテインメントの子会社化も2月に実施しており、『SHOW BY ROCK!!』と音楽事業によるグループ内シナジーについても模索していくとのことだ。
 

新作については、2018年2月期のリリース予定から期ずれ『マップラス+カノジョ』と『BALDR ACE』を含めて、現時点で3タイトルの開発が進行中だ。当初から2019年2月期のリリース予定だった『温泉むすめ ゆのはなこれくしょん』と『マップラス+カノジョ』は位置情報を活用したゲームとなり、人気ゲーム『BALDR』シリーズ初のスマホゲーム『BALDR ACE』は「3DロボットRPG」(同)として開発が進められている。
 

なお、「3タイトル以外にも新規タイトルを仕込み中で、今期(の新作)は最低3本と考えている」(同)としていた。
 

■ティームエンタテインメント子会社化で連結決算に移行


なお、2019年2月期通期の業績予想については、ティームエンタテインメントの子会社化による連結業績予想となり、売上高15億円、営業利益2200万円、経常利益1500万円、当期純利益1200万円としている。

「新規タイトル寄与は保守的に見た予算」(同)とのことで、利益率の改善については、「収益性の低下したサービスのクローズの成果も出てくる」(同)という。
 

原尾社長は、「2018年の減少を今期以降取り戻すべく頑張っていく」としており、2018年2月期の第3四半期を底とした回復シナリオを描いていけるのかどうかが、2019年2月期の注目点となってきそうだ。
 
(編集部:柴田正之)

 
株式会社エディア
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会社情報

会社名
株式会社エディア
設立
1999年4月
代表者
代表取締役社長 賀島 義成
決算期
2月
直近業績
売上高24億9400万円、営業利益1億2300万円、経常利益1億1300万円、最終利益1億800万円(2022年2月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
3935
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