【ミクシィ決算説明会】第3四半期は減収減益 通期進捗率は7割未満 年始から好調の『モンスト』で巻き返しへ 第4四半期は売上高570~600億円を見込む



ミクシィ<2121>は、本日(2月14日)、第3四半期累計(17年4~12月)の連結決算を発表するとともに、東京都内でメディア向けの決算説明会を開催した。同日発表した決算は、売上高1354億円(前年同期比5.3%減)、営業利益478億円(同15.3%減)、経常利益482億円(同14.0%減)、最終利益252億円(同35.3%減)と減収・減益となった。決算説明会では、別途、昨年末にサービス終了が決定した「チケットキャンプ」に関する説明と質疑応答が行われたが、ここでは割愛したい。

また、第3四半期(10-12月期)をみると、売上高421億円(前四半期比6.3%減)、営業利益109億円(同34.4%減)、経常利益110億円(同34.7%減)、最終損益0.17億円の赤字(前四半期114億円の黒字)と増収・減益、最終赤字転落となった。昨年12月、「チケットキャンプ」のサービス終了を決定し、それに伴い、特別損失を計上したことが響いたという。

年間の4分の3を終えたが、売上高と利益はいずれも通期計画の75%にも達していない。通期計画は達成可能なのか。決算説明会に臨んだ森田仁基社長(写真)は、「第4四半期の売上高は570~600億円が見込まれる」とした。通期計画2000億円を達成するには、第4四半期だけで645億円を稼ぐ必要があるが、公表した見通しのままだと通期計画に対してショートすることになる。このレポートでは、第3四半期の状況を見ていこう。季節変動が大きいため、前四半期ではなく、前年同期の数字で見ていきたい。
 


 
■『モンスト』苦戦で第3四半期は減収減益 意外な減益要因も

第3四半期の業績は、売上高が前年同期比で25.1%減の421億円、営業利益が同50.7%減の109億円と大きく落ち込んだ。『モンスターストライク』の売上の減少が主な要因だ。前年(2016年)12月に『モンストアニメ』の映画が上映されたが、今期はなかったことが減収要因のひとつになったと説明した。映画に登場したモンスターをゲームに登場させることで、映画とゲームの相乗効果が発生したが、今年は発生しなかったという。さらに「イベントごとに新しいギミックを取り入れていたが、今年はその開発にも手こずっていたこともある」と施策面で苦戦したことも認めた。
 


利益面では、売上の低下に加え、年末年始に発生したゲーム内の有料通貨「オーブ」の購入と消費の間にタイムラグがあったことも要因にあげた。どういうことかというと、ユーザーが年始イベントのため、あらかじめ年末にオーブを購入し、年明けまで持ち越したという。つまり年末の段階で決済手数料のみが先行して発生していた。年が明けて、ユーザーがオーブを消費し、ここで初めて売上が計上された。このラグが売上高、営業利益の大きな変動要因になったとした。このほか4周年イベントや、年末年始に打ち出した大規模なキャンペーンなど広告宣伝費の増加も利益を圧迫した。
 



▲メディアプラットフォーム事業の状況。年賀状サービスが好評だったノハナが売上を伸ばした。第4四半期においては、柱であった「チケットキャンプ」の売上がなくなるため、この事業の収益は落ち込む見通しだ。


 
■第4四半期は業績が急回復する見通し

続く第4四半期については、記事の冒頭で触れたように、売上・利益ともに急回復する見通し。1月において一部決済手数料が先行して計上された状態で売上が出てくるほか、『モンスターストライク』の運営も1月が非常に好調で、2月も良好に推移しているという。足元の状況を判断して、第4四半期は売上高570~600億円としたそうだ。ここ最近、四半期ベースで15億円ほどの売上を稼いでいた「チケットキャンプ」の影響を考慮してもショートする見通しということなのだろうか。

なお、開発中の新作については「数本のパイプラインが動いている」と述べるに留まった。新作の内容やリリース時期などについては発表できる段階になったら発表するとのこと。『モンスターストライク』以降の新規タイトルについては苦戦気味であるとも明かした。『ファイトリーグ』については改修作業を引き続き行っているものの、各種KPIやユーザー満足度は依然として目指している水準に到達していないとし、引き続き『モンスターストライク』に続くヒット創出を目指す考えを示した。
株式会社MIXI
https://mixi.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社MIXI
設立
1997年11月
代表者
代表取締役社長 木村 弘毅
決算期
3月
直近業績
売上高1468億6700万円、営業利益248億2000万円、経常利益182億5000万円、最終利益51億6100万円(2023年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
2121
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